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マラリアと開発経済2
前回はマラリアが多くの国の発展を阻害してきた事をお話しましたが、今日はその対処についてです。本題に移る前に先週紹介したJeffrey D. Sachsのマラリア地図でカラー版がありましたので差し替えました。下に改めて紹介します。
Jeffrey D. Sachsのマラリア地図(クリックすると拡大します)

経済発展状況(色が薄いところが発展していない国です。上の図と比較してください)
マラリアが赤道付近に非常に多い病気だと言う事がよく分かりますね。また、この地域が世界的に経済発展していないこともよく分かります。昔は日本にもあった病気でオコリと呼ばれていました。坂本竜馬もマラリアだったそうです。ただし、日本のマラリアは比較的弱いものだったため、日本ではほぼなくなりました。
日本や西欧などでマラリアが撲滅できたのに熱帯地域で撲滅できていない理由は気候にあります。マラリアは冬があったり、16℃以下となる季節がある地域では繁殖しない傾向があります。理由は簡単で冬になると蚊がいなくなるからです。逆に言うと、熱帯・亜熱帯は冬が無いので蚊とマラリアにとって最良の気候条件を備えているわけです。
マラリアはワクチンがありませんので有効な予防はできませんが、治療はできる病気ですので適切に処置すれば本来ならばそれほど怖い病気ではありません(と言っても十分怖いんですけどね)。問題は適切に処置すればという点で、そもそも貧困の極みのようなアフリカの地方に医者は少なく薬も補給されません。予防薬は無く、治療も行き届かないでは非常に悩ましいのですが、蚊に刺されなければマラリアに感染する可能性は非常に少なくなります。
この蚊にさされないようにする事をVector Controlと言います。単純に訳すとベクトル制御ってなっちゃって数学の小難しい奴かなとか思いますが、この場合は違います。Vectorって媒介生物という意味があって要するに蚊が近づかないようにコントロールしましょって意味です。
具体的には何をするかというと蚊帳を張る、殺虫剤をまく、蚊が発生する水たまりなどを減らす、の3点が中心です。特に最初の蚊帳は、日本の誇るテクノロジーが大活躍しています。もちろん、ただの蚊帳ではなくポリエチレン樹脂に殺虫剤を織り込んだ蚊帳で、製造しているのは住友化学です。
WHOは住友化学に対してアフリカへの技術移転を要請し、住友化学はタンザニアに工場を設置し蚊帳の工場を建てました。年間生産量1000万張りだそうです。この蚊帳を使用してWHOは2010年までにマラリアによる死亡率を50%に減少させるという計画を立てています。
達成できれば、なんと50万人以上の命がこの蚊帳により救われる事になります(住友化学の株買おうかなと思いましたよ)。ただし、アフリカの人口は8億人であり、蚊帳の生産量1,000万張り程度では全然足りないようです。とは言え、無制限に製造できるかって言うと住友化学も営利企業ですからそういうわけにも行かず、各国がちゃんとお金を出す事が求められます。先日の福田首相のODA倍増なんて話がありましたが、これの一部は蚊帳に回り、多くの人の命を救う事になるはずです。
二点目の殺虫剤の散布ですが、これは実はあまりよろしくありません。蚊が殺虫剤に耐性を持つようになるらしく、かえってたくましくなってしまう事があります。手っ取り早い方法ではあるのですが、広大なアフリカ大陸全般に殺虫剤まくなんて考えただけでもあんまり良くないんじゃないのって思いますよね。家の中に蚊取り線香置くみたいなのは有効だそうです。ただし、熱帯地域の貧しい家にはそもそも窓とかドアがなくって開放的になっているため蚊取り線香や殺虫剤の効力が無いため、家をちゃんと閉め切る事が求められてたりします。
三点目の、蚊そのものを減らす対策ですが、こちらはなかなか難しいようで水溜りをへらす、ボウフラを食べる魚を放つなどのジミな手段で蚊を減らそうとしています。アフリカ広いし、雨降ったら水溜りできちゃうのでこれも決定打には到底なりませんね。と言う訳で蚊帳がもっとも有望なのが現状です。
次回はマラリアの最終編です。
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この記事へのコメント
お久ぶりです。さぼてんです。
さすがランケンさん、住友化学の蚊帳のことまで調べ上げましたか‥インドネシアなどでは蚊取り線香がかなり普及しているようです。とはいっても見た目も日本のよりかなり大きく効果もきついそうです。熱帯の蚊は日本の蚊より大きくて丈夫なのだそうです。
マラリア対策にしろエイズ対策にしろ新興国のお困りごとに先進国の企業がかなり協力しているみたいで、なんだかそちらも応援したくなりますよね。
さすがランケンさん、住友化学の蚊帳のことまで調べ上げましたか‥インドネシアなどでは蚊取り線香がかなり普及しているようです。とはいっても見た目も日本のよりかなり大きく効果もきついそうです。熱帯の蚊は日本の蚊より大きくて丈夫なのだそうです。
マラリア対策にしろエイズ対策にしろ新興国のお困りごとに先進国の企業がかなり協力しているみたいで、なんだかそちらも応援したくなりますよね。
さぼてんさん
お久しぶりです。こんばんは。
インドネシアの蚊って凄そうですね。
でかそー。
マラリア対策やエイズ対策に民間企業の協力は欠かせません。
一方で、民間企業に無償奉仕してくれって言ってもムリがあります。そんな事したら倒産しちゃいますからね。
貧困ビジネスをうまくやっている民間企業もいますが、医療系は政府のお金が必要とされます。
政府のお金といっても新興国自体には無いので、結局民間のODAになるわけですが、アメリカも日本も支払いが悪いのが現状です。
ただ、民間でも凄いことをしている人たちもいます。
以下、次号!(なーんて、期待もたせてみます)
お久しぶりです。こんばんは。
インドネシアの蚊って凄そうですね。
でかそー。
マラリア対策やエイズ対策に民間企業の協力は欠かせません。
一方で、民間企業に無償奉仕してくれって言ってもムリがあります。そんな事したら倒産しちゃいますからね。
貧困ビジネスをうまくやっている民間企業もいますが、医療系は政府のお金が必要とされます。
政府のお金といっても新興国自体には無いので、結局民間のODAになるわけですが、アメリカも日本も支払いが悪いのが現状です。
ただ、民間でも凄いことをしている人たちもいます。
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