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ブラッドダイアモンド

ブラッドダイアモンド

レオナルド・デ・カプリオ主演のBlood Diamondを見てきました。先週のツォツィに引き続き映画のお話です。今回はタイトルどおりダイアモンドを巡る惨劇のお話です。ダイアモンドと言えば南アフリカのデビアス社です。

映画は2時間半という大作ですが面白かったです。面白かったというとやや語弊があるかもしれませんが、エドワード・ズウィックの得意な実際の社会問題を背景にした冒険感動ものでした、と言っても分かりにくいでしょうか。映画館で楽しんでください。

タイタニックもそうですが、デカプリオは「ちょい悪」系が多いですね。この映画でも「ちょい悪」系ですが、タイタニックよりはずっと良かったです。背景がかなりリアルで現実の悲惨さを描写している上でのデカプリオとジェニファー・コネリーはイマイチ生々しさに欠けてはいましたが考えさせられる映画でした。デカプリオ確かにかっこよくなった。

デカプリオは映画の中で自らの出身をローデシアと言っています。現在のジンバブエだと映画の中でも言われてましたが、ローデシアと言う国はセシルローズと言う人の名に由来します。このセシルローズと言う人はユダヤの財閥ロスチャイルドの融資を受けてデビアス社を創業した人で、ものすごい富を築いています。

この富どれだけすごいかと言うと、元々は南アフリカ会社というセシルローズが作った会社があったのですが、鉄道、新聞、電信などのインフラはもとより警察権・統治権まで握り南アフリカ会社は軍隊まで持ちました。会社が軍隊を持てば征服に走るのはある意味当然で、当時のイギリス植民地だった南部アフリカを征服してしまいました。広さはなんと本土イギリスの4倍にまで達したそうで、ここにローデシアという国が作られました。会社が国を作るんですね。会社って国の下にあるものという概念がひっくり返ります。(インドあたりでもありましたね、そういえば)

セシルローズはその後現地のボーア人の怒りを買い失脚することになるのですが、莫大な富の大半をオックスフォード大学に寄付し、現在でもローズ奨励基金として多くの学生に奨学金を提供しているんだそうです。ローズ奨学金って聞いた事ある気がしませんか?真実は小説より奇なり。

さて、ここからは映画のストーリーに関係する各国の背景のお話を書きます(ストーリーは映画館でお楽しみ下さい)。ブラッドダイアモンドとは文字通り血塗られたダイアモンドという意味で、ダイアモンドを巡って戦争・紛争が起きている地域で違法に採れたダイアモンドを指します。Conflict diamond(紛争ダイアモンド)、Dirty diamond(汚れたダイアモンド)、War diamond(戦争のダイアモンド)とも呼ばれるそうで、アルカイダを初めとするテロや軍事活動など様々な非合法活動の資金源になっているダイアモンドと国連では定義しています。国連が正式に定義している言葉だってのがまず凄いですね。

特にアフリカのシエラレオネはダイアモンドを巡り内戦が勃発し1991年から2002年までの長期に渡る戦争の結果世界で最も平均寿命が短い国となってしまいました。平均寿命は最新の2006年の調査によると41歳で世界177カ国中170位です(国連開発計画:人間開発指数より)。映画でも出てきますが、RUF(Revolutionary United Front:革命統一戦線)は反政府活動を行うために兵士と資金が必要で、資金はダイアモンドにより調達し武器を購入、兵士は少年兵を教育する事で作りあげ大虐殺を展開しました。死者は5万人で難民が450万人にも達する(シエラレオネの人口は500万人です)という悲惨を極める状況だったそうです。

人間開発指数にちょっと触れておきます。人間開発指数(HDI:Human Development Index)とは各国の人間開発の度合いを測る指数として開発されており、長寿、知識、生活水準の3つの分野から指数化したものです。人間開発の度合いってのが分かりにくいのですが、そもそもこの指数何で作られたかというとGDPが高くても貧富の差が激しかったりすると必ずしも国民が豊かではないという訳で、どれだけ国民が経済面、教育面、健康面でより良く生きていけるかを測るために作られているようです。長生きして文化的で良い生活水準を送れるかどうかという事だそうでこの指数が高い国ほど個人の基本的選択肢が広いんだそうです。

これによると、日本は9位、アメリカが7位、1位はノルウェーです。FXで興味深いところではアイスランドが2位です。(アイスランドと言えば高金利通貨ですね。アイスランド・クローナをFXで取引したい方はランケン右上隅のバナーからどーぞ)。忘れるところでしたが、南アフリカは121位です。インド126位、中国81位です。

http://hdr.undp.org/hdr2006/statistics/

話をダイアモンドに戻します。シエラレオネでRUFに採掘されたダイアモンドは隣国のリベリアを通して先進国に売られます。リベリアは年間3億USドル(約360億円)のダイアモンドを輸出していたそうです。このリベリアがまた怪しくてアメリカ合衆国の植民地として作られた国らしく、リベリア国旗はかなりアメリカです。東西冷戦の中でアフリカを舞台にした勢力争いの名残が伺えます。

liberia
リベリア国旗

2005年の統計ではリベリアの人口はわずか320万人、GDP30億USドル(約3600億円)一人当たりGDPが年間1000ドル(約12万円!)で世界第169位の国に取ってはダイアモンド輸出の3億USドルは巨額です。この国もダイアモンドを巡って内戦が勃発。RUFの資金源ともなっており、そのお金がアルカイダなどテロ組織にまで回るという訳で1998年ついに国連が、シエラレオネ、リベリア、アンゴラの紛争地域のダイアモンドの流通を禁止します。なんか、ワールドトレードセンターへのアルカイダのテロもこの辺りお金と関係あるんじゃないかと思ってしまいますよね。

1990年位のダイアモンドは20%がブラッドダイアモンドだったそうですから驚きです。ちなみにWorld Diamond Councilによるとダイアモンド製品市場の規模は1999年は560億ドル(約6.7兆円)ですので、1990年に換算しても末端価格の1兆円前後はブラッドダイアモンドだったということになります。

2000年5月南アフリカのキンバリー(ダイアモンドの採掘で世界的に有名な場所です)で、南部アフリカ各国のダイアモンド生産者が集まり(デビアス以外っているんでしょうかね?)、ブラッドダイアモンドの取引撲滅を目指すべく認証システムを導入しました。このシステムを一言で言うと戦争に関係の無い証明書付きのダイアモンドの流通のみを保証するシステムです。これにより、正規のルートで採掘されたダイアモンド原石しか流通できないような仕組みが出来上がり、シエラレオネやリベリアの内戦は鎮火しました。これが映画の最後で出てくるキンバリープロセス(Kimberley Process Certification Scheme)です。証明書の文言は以下のようになっています。

「ここに記載されたダイヤモンドは、合法的卸元より購入されたものであり、コンフリクトダイヤモンドの資源とは関係がなく、また国際連合の決議に従うものである。このダイヤモンドの卸元から提供された個人情報もしくは書面による保証により、このダイヤモンドは紛争にかかわりがないと売り手はここに保証する。」
キンバリープロセス証明書
キンバリープロセス証明書

生々しいですねー。このキンバリープロセスですが、結局デビアスの独占を助長する面も強くデビアス社は喜んでやってるように見えます。つまり、デビアスがちゃんと管理しているものにはキンバリープロセスの証明書を付けてあげるのでブラッドダイアモンドじゃなくなりますよって事ですから当然ですね。ちなみにキンバリープロセスのHPがありましたので興味のある方は見てみてください。

もちろん、デビアス社のHP内にもあります。Ethics(倫理)のカテゴリーの中で正規のルートのみを扱っていて、全てモニタリングしていると書かれています。デビアス管轄で採れたダイアモンドか、デビアスを通したものを正規と言って自らの権益を守るために排他的な商売する口実としてはもってこいです。でも、デビアスに倫理と言われるとちょっと…。

だいたい、デビアスが不当に価格を吊り上げているからダイアモンドが武器購入の資金源になったりすると思うんですが。もっと安くて武器なんかにならない値段だったら全然違うのではないかと…。このプロセスがダイアモンドの富をアフリカの貧しい人たちに回すようになったら倫理と言ってもいいような気がするんですが皆様どうお考えでしょうか?

ちなみにこのキンバリープロセスは現在世界71カ国が参加しており、日本も入っています。更に驚く事にシエラレオネとアンゴラもキンバリープロセスに入っています。リベリアだけまだ入ってません。いつまでもブラッドダイアモンドだって言って輸出止めちゃうと唯一の外貨獲得手段が無くなるので戦争止めてちゃんと管理する事を条件に現実的な対応をしているといった所かなとポジティブには推測します。

また、デビアスはアンゴラでのダイアモンド採掘活動を2001年に一度止めていますが、2003年に再開しています。この際、アンゴラ政府51%の株式、デビアス49%の株式のジョイントベンチャーを作っています。で、キンバリープロセスに入り、ブラッドダイアモンドではなくきれいなダイアモンドとして取引開始と言うわけです。更にシエラレオネもデビアスにほぼ支配されており、内戦が落ち着きデビアス社とダイアモンド取引をしているんでしょう。こっちはネガティブな推測ですが、状況的には限りなく正しいように見えますよね。

デビアスのダイアモンド・カルテルがなくなると戦争になっちゃうんでしょうか。どうしてもデビアスが世界中から搾取しているようにしか見えないのですが…。ダイアモンドみたいな手に入れればお金に簡単に変換できる商品系を扱うのはやっぱり難しいのでしょうね。石油もそうですが利権争いはどこの国も不幸な気がしてしょうがないです。昔ランケンでも記事にしましたがきれいなものの裏側ってのはどうしてこうなんでしょうかね。日本は資源が無くて教育水準を歴史的に高くできたって言うのが良かったのかもしれませんね。

話が映画からだいぶそれましたが、是非ブラッドダイアモンド見てみて下さい。南アフリカのケープタウンも最後に出てきてジェニファーコネリーがお茶してるシーンなんかすごく綺麗でした。ツォツィと違って娯楽要素がより強い映画です。

テーマ:FX(外国為替証拠金取引) - ジャンル:株式・投資・マネー

コメント
この記事へのコメント
うぉー!なんか感動しちまった!南アフリカ行きたくなっちまったじゃねーか!映画みるよー

ちなみにまた19円とかなるのかなぁ。ランド円。ワールドカップの時はいくら位を予想しますか?

あ!そういやはじめまして。

更新頑張って下さい。寂しいがりやなんで
2007/04/21 (土) 15:01:32 | URL | ハロウィン #-[ 編集]
読み応えのある記事でした。ブラッドダイアモンドを観たばかりなので特に興味深かったです。
映画では描かれなかった背景が分かってFXに興味が無くてもこの映画を見た人に勧めたくなる記事です。
2007/04/21 (土) 16:10:43 | URL | ブレンディ #mQop/nM.[ 編集]
Seven Keys?
ハロウィンさん

おぉ〜。なんか熱いコメントありがとうございます。
はじめまして。
19円は全然なってもおかしくないと思ってるんですが、いつなるかは分からないですね〜。
ワールドカップの時は20円越えてるとい〜な〜。でも分かりません・・・10円だったりして・・・

寂しがりやって女性に言われる分にはダイアモンドですが、男の人に言われるとブラッドダイアモンドですねなんて言ったら失礼ですかね。

ちなみにハロウィンって You are the keeper of the seven keys♪ですか?
僕大ファンです、Dark rideのライブ行きましたもん。

またコメント下さいね〜
2007/04/22 (日) 01:17:56 | URL | FXZAR #-[ 編集]
こんばんは
ブレンディさん

こんばんは。
記事にKimbery Process Certificateのサンプル写真載せました。
FXやらない方にも読んでいただければ幸いです。

2007/04/22 (日) 01:22:26 | URL | FXZAR #-[ 編集]
相互リンク依頼
こんにちは。
「年利20%の資産運用-スワップ金利で皮算用-」
というサイトの管理人「のりたか」と申します。

貴サイトと相互リンクをしていただきたくお願いにあがりました。

貴サイトのリンク先です。ご確認ください。
http://f13.assetsplan.net/fx13/link5-8.html

当サイト情報です。リンクしていただけるさいには、ご利用下さい。

■サイト名  年利20%の資産運用-スワップ金利で皮算用-
  ※長い場合、「 年利20%の資産運用 」だけでもOKです。
■URL  http://f13.assetsplan.net/fx13/
■紹介文  年利20%になるように資産運用しています。

お手数ですがリンクしていただけましたら、返信にて、
リンク先を明記の上ご一報ください。

ご検討よろしくお願いいたします。

連絡先
nori☆assetsplan.net
☆を@に変えてご連絡ください。ご面倒ですが迷惑メール対策です。
2007/04/22 (日) 14:55:01 | URL | のりたか #-[ 編集]
ブラッドダイヤモンド!!!(^^)
早速の行動、さすがです!

とても為になる話まで、ほんとありがとうございます!

僕の方は、木曜日には六本木に行くので、ようやく見に行けます!

とっても楽しみです☆
2007/04/23 (月) 14:41:19 | URL | 魔法使い☆ぴこ #-[ 編集]
こんばんは
魔法使い☆ぴこさん

こんばんは。
平日ですと良い席で見れそうですね。
見てから読まれるとまたきっと違うと思います。
楽しんできてください。
2007/04/23 (月) 23:43:49 | URL | FXZAR #-[ 編集]
こんばんは。ランケンさん。
ブラッドダイヤモンド見ようと思っていたのですが、キャメロンの「ホリデー」を見てしまいました。。。。
ランケンさんのブログは南アフリカに特化しててとても勉強になります!
しかし、資金提供したのがユダヤ人というのが流石って感じですね。
2007/06/10 (日) 02:29:57 | URL | 岩崎 かおる #-[ 編集]
岩崎さん

あー、キャメロンのホリデー見られましたか。
私見ておりません。
ちょっと見たかったなー。

ブラッドダイアモンドはビデオレンタルで見られてください。
きっと面白いですよ。
2007/06/10 (日) 22:13:04 | URL | FXZAR #-[ 編集]
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