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南アフリカ観光情報
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南アフリカの5月貿易収支大幅改善
南アフリカの5月の貿易収支の発表がありました。市場では75億ランド(約1000億円)の赤字が予測されていましたが、今月は17億ランドの赤字となりました。先月は100億ランド(約1350億円)の赤字でしたので大幅に改善です。機械製品や乗用車の輸入が減り、希少金属などやベースメタルの輸出が増えた事が大きな理由となっています。ランドも上昇中ですね。
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南アフリカの輸出入相手国
明日は南アフリカの貿易収支発表です。南アフリカは貿易赤字が現在大きな問題になっています。基本的には経済が過熱して内需が強かった事によるものですが、現在は原油などの資源高騰の影響も強く出ています。さて、南アフリカの貿易相手国ってどこが大きいんだろうとか、ジンバブエの経済的破綻ってどれぐらいのインパクトなのとか思いましてちょっと調べてみました。下は輸出入全体に占める各国の割合を高い順番にグラフにしたものです。
まずは南アフリカの輸出から。(グラフはクリックすると大きくなります)
2008年1月南アフリカ輸出相手国(出所:South Africa Department of Trade and Industry)

輸出総額360億ランド(約5000億円)
輸出相手国は日本が2位ですね。先進工業国が上位にずらっと並んでいる印象をうけますが、世界が南アフリカから輸入するものと言えば資源です。データって如実ですね。同じアフリカの中ではザンビア、アンゴラ、ジンバブエぐらいでしょうか。こっちは自動車とか食料とかでしょうかね。ジンバブエも1.1%とかなり少ないですがありますね。プラチナ鉱山なんかがありますから(南アフリカ企業が所有しているようですが)、貿易ゼロって訳にはいかないですね。でも思ったより少ないかな。
次は南アフリカへの輸入です。
2008年1月南アフリカ輸入相手国(出所:South Africa Department of Trade and Industry)

輸入総額492億ランド(約6600億円)
輸入はやはり中国が多いんですね。世界のなんでも工場ですから(うなぎも!)、多くの国で共通でしょう。ドイツが多いですね。ヨーロッパNo.1の工業国ですからこれも何となく分かりますよね。アメリカ3位、日本5位はなるほどなーと。自動車だったり電気製品だったりかな。アメリカは農作物もありそうですね。
サウジアラビア4位は興味深いですね。原油でしょうね。あと、6位のアンゴラが注目です。地理的に近いのが大きな理由でしょうがアンゴラのGDPは世界で100位ぐらいですから南アフリカの輸入の4.4%を占めてイギリスより多いのは凄い。中身はダイアモンドと原油でしょう。ちなみにアンゴラの実質GDP成長率は30%を超えています。中国ですら10%ですからかなり凄い事になってます。
以下、ヨーロッパ諸国とアフリカ諸国が多くアジアは韓国、台湾ぐらいです。やっぱり地理って大きいですね。気になるジンバブエはこちらも1.2%です。南アフリカの鉱山会社はジンバブエに採掘権を多く持っています。恐らくですが、南アフリカの企業内貿易が相当多いんじゃないかと思います(ジンバブエ企業がそれほどお金を払えるとは思えない…)。
なかなか面白いですね。南アフリカは単独での成長は良くないと考えているそうで、他のアフリカ諸国の成長も重要だと言っています。しかし、貿易額を見る限りアフリカは南アフリカにとってさえまだまだです。ただ、南アフリカ企業の一部は最近アフリカ各国に進出をしています。理由はアフリカの成長が見られる点と市場として魅力が出てきたそうで、競合相手がいないという単純な理由もあるそうです。
最近は携帯電話の会社などがアフリカ各国に進出しています。携帯電話ってインフラの整っていないアフリカにはかなり貴重だそうで多くの需要があるそうです。日本と違ってほとんどプリペイド方式らしいですが(アフリカでは後から回収なんて出来ないそうです)、面白いですよね。
アフリカ市場が出来てきて南アフリカの貿易額の上位を占めてくるまで来たらアフリカの貧困はだいぶ無くなってるかも知れません。ジンバブエも貿易上の比率的には南アフリカにそれほど影響力があるとは思えませんが、早く安定して市場としても成長して欲しいものです。じゃないと移民問題も解決しないですしね。
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ワールドカップ準備状況
2010年南アフリカワールドカップ最終予選の組み合わせ抽選が決まりましたね。下のA組とB組の各上位2チームと両組3位チームの勝者であるアジア5位とオセアニア1位でのプレーオフ勝者の計5チームがワールドカップ本大会に出場です(ちょっと分かりにくいですな)。組み合わせも悪くなさそうですし、FIFAランクで日本より上は35位のオーストラリアだけですので本大会に出場できる可能性が高いかな?
A組(カッコ内は2008年6月現在のFIFAランク)
日本(FIFAランク38位)
オーストラリア(FIFAランク35位)
バーレーン(FIFAランク72位)
ウズベキスタン(FIFAランク58位)
カタール(FIFAランク83位)
B組
韓国(FIFAランク45位)
イラン(FIFAランク48位)
サウジアラビア(FIFAランク54位)
北朝鮮(なし)
アラブ首長国連邦(FIFAランク95位)
ちなみに、南アフリカのFIFAランクは68位です。南アフリカ、あんまりFIFAランクは高くありません。最終予選は2008年9月6日から2009年6月17日でホームアンドアウェイで行なわれます。
さて、南アフリカのワールドカップ準備状況のニュースがありましたのでお伝えします。現在EURO2008が行なわれていますが、当然各国メディアも集まっています。ここで南アフリカ財務大臣代理、南アフリカ観光局CEO、南アフリカワールドカップ現地組織委員CEOが会見を行ないました。
南アフリカ財務大臣代理によると、2008年12月か2009年1月には全ての南アフリカのスタジアムが完成する予定であり、来年開催のコンフィデレーションズカップに十分間に合うと述べています。この大会をまずは成功させる事でワールドカップを開催できると世界に宣言したいそうです。
メディア側からは犯罪や最近の暴動に対する質問も出ています。これに対して南アフリカ側は次のように回答しています。
・警察官を三万人増員し、街角を見回らせる
・40機の最新鋭のヘリコプターを飛ばせる
・数千の防犯カメラがスタジアム周辺及び周りの地区に既に設置済み
南アフリカではラグビーのワールドカップ、クリケットのワールドカップなど多くの大会を開いた実績があるのでそれを見てもらえば開催可能な事が分かるはずだとした上、南アフリカの多くの住民は暴力反対であり我々は平和を愛する国民であると述べています。
また、FIFAの高官もFIFAが南アフリカ以外の候補地があるのではないかとの噂を否定し、南アフリカのみが2010年のワールドカップ開催国であり、南アフリカはワールドカップを成功させる自信があると述べています。
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ジンバブエ大統領選と昨日のPPI
ジンバブエの大統領選挙は日本のニュースでもちょっと出てきてましたね。びっくりしました。今日はジンバブエの大統領選挙が行なわれる日ですが、既に野党のトップであるツァンギライ氏は大統領選への立候補を取り下げていますので現大統領ムガベの再任は事実上決定です。当然、国際社会は結果がなんであれ認めない旨を既に発表しており選挙延期を求めていますが、ムガベは強行に選挙を行なうようで、ジンバブエ国民に強制的に投票するよう仕向けています。ツァンギライ氏も危険を感じるようなら投票に行くように声明を出しています。どっかでクーデターでも起きるしかないかもしれないですね。
さて、昨日の南アフリカの5月生産者物価指数は非常に悪かったです。ロイターによる調査では12.3%だったそうですから16.4%は信じられないぐらい悪い数字です。市場では、南アフリカ中央銀行は後2回は最低金利引き上げをしないといけないだろうと考えられているそうで、13%まで織り込みつつあります。
さて、今回非常に大きくなってしまった要因ですが、金属価格が年率76%、月間でも63.7%も上昇してしまったためだとの事です。先月と比べて63.7%って異常ですが、金属価格は3ヶ月単位で集計しているんだそうで、先月というより3ヶ月前の比較になるようです。
この金属価格を除くと生産者物価指数は12.2%となるそうで、これだと市場予測の12.3%とほぼ一致します。また、今月から生産者物価指数における金属の比重が高くなったそうで、指数計算上の影響も出ているんだそうで単純に先月と比較は出来ないとスタンダード銀行のエコノミストはしています。
また、原油価格も相変わらず強く年率34%の上昇、石炭も51%の上昇と強烈な値上がりです。以前大幅に上がっていた農業食品価格は1%以下の上昇でこちらは一息ついていますが、加工食品は年率19.1%とやはり大きく上昇しています。
原油価格が世界的におさまってこない限りは当面厳しい状況が続きそうです。
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南アフリカの5月の生産者物価指数悪化
南アフリカの5月の生産者物価指数は年率16.4%と大幅な悪化です。市場予測は12.4%ですのでかなり悪い結果となりました。きびしい…。テーマ:FX(外国為替証拠金取引) - ジャンル:株式・投資・マネー
南アフリカ消費者物価指数の詳細
昨日お知らせしましたように消費者物価指数は10.9%とほぼ市場予測の10.8%と同じになりました。市場も安心したようでランドちょっと上昇していますね(ランケンも内心ひやひやしていましたが一安心)。消費者物価指数はいくつか発表されますが、南アフリカのインフレターゲットとして重要視されているのはCPIXです。これが6%以下である事が南アフリカ中央銀行の目標になっているわけですが既に約5%上回っています。また、ヘッドライン消費者物価指数は年率11.7%上昇となり、こちらも先月の11.1%より悪化していて市場予測の11.4%よりも悪い状況です。
さて、この消費者物価指数を押し上げている理由としては食品価格が今月は昨年5月の比べて年率17%も上昇しており、これが上昇分の半分を占めるそうで、貧困層には大きな打撃となっています。また、ガソリンや電車などの交通費も16.7%上昇しており、生活上欠くことができないため打撃は大きいでしょう。
世界を見回すとほぼ全ての国でインフレが観察されますが、インフレターゲットを設定している国のいくつか(ブラジル、インド、トルコなど)は南アフリカ同様にターゲットを既に上回ってしまっているそうです(南アフリカだけじゃなくて良かったって思うのは不謹慎というものですかね)。
日本のインフレ率も総合では1%近く上がっています。一方で、食料品とエネルギーを除くと若干下落していますので、食料品とエネルギー分が大きいのはおそらく世界共通です。ある意味で金利上げてもどうしようもないかもしれませんが上げない訳にもいかないのが世界の状況ですね。
日本のインフレ率は昨年暮れ位から上がりはじめていますが、貯金金利は一向に上がる気配なしです。貯金金利だいたい0.2%でインフレ率が1%だとその差0.8%です。今後、インフレが進む事を勘案すると1年で1%近く貯金が目減りする事になりますかね…。1千万円貯金ある人だったら年間10万円なくなる計算だ(私はありませんが…)。
うーん、貯金ゼロって訳にも行かないなー、貯金っていくらぐらいにしておけばいいでしょね?(人によるか…)
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南アフリカの5月消費者物価指数
南アフリカの消費者物価指数(CPIX)は今月は年率10.9%となりました。市場予測は10.8%となっていますので、若干悪いぐらいで概ね予想通りでしょうか。先月発表の4月分10.4%よりはやはり悪いですね。
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ジンバブエの混乱
昨日ジンバブエに関してどう思いますかという質問を受けたのとなんかYahooですら話題になっているのと、今日はあまり南アフリカのニュースで面白いのがないと言う事で、ジンバブエについて書くことにします。ジンバブエは南アフリカの隣にある経済が崩壊した国です。主な原因はジンバブエ大統領のムガベによる独裁政治により経済のコントロールが出来なくなってしまった事にあります。現在、インフレ率が年率16万5000%(政府発表公式値)で進んでおり、エコノミストによると1400万%(!!!)のハイパーインフレ率であろうと推定されています。南アフリカの10%のインフレ率なんてかわいいものか?
このインフレ率ですからジンバブエドルは世界でもっとも価値の無い通貨として北朝鮮ウォンと並び有名となっていますが、現在の交換レートはおよそ下だそうです。
1USドル=82億ジンバブエドル
今のジンバブエドルは100万ジンバブエドル札が最高の通貨単位(だったはず)ですので、100万ジンバブエドル札なんと8200枚でやっと1ドル札1枚と交換可能という状況です。お札の厚さって0.1mmだそうですので(1万円札の場合)このジンバブエドルを1メートル近く積み上げないと1ドル札1枚にも満たない事になりますね。実際、先日ジンバブエ行った時ものすごいお札積み上げて取引してましたよ。
さて、そんなお金は誰も信用しないのは現地の人も同じらしく、ジンバブエ国内ですらジンバブエドルは受け取らない空気が出てきているそうです。どうするかっていうと物々交換です。国民は物々交換で取引をするようになってきているそうで、いやー驚くべき事態です。
さて、この北朝鮮に匹敵するぐらいすごいジンバブエですが、先にも述べたムガベ氏が28年間大統領を続けており、更に5年間の任期延長をしようとしています(既に84歳!)。当然、国内からの反対は強いのですが、北朝鮮みたいなものですからまともな選挙なんて出来るわけありません。野党の大統領候補者であるツァンギライ氏は一度大統領選挙で過半数を確保したと主張しましたがこれをムガベが無効にしてしまいます。
その後再選挙となったのですがムガベは暴力や政治的な脅しをかけたりツァンギライ氏を拘束するなどもの凄い圧力をかけています。これに対してツァンギライ氏はこれでは続けられないという事で大統領選挙を先週辞退してしまいました。国連も乗り出していて、ツァンギライ氏の拘束を終結させるよう求めています。
南アフリカも隣国の混乱ですので、あまり介入できないとは言えムベキ大統領が調停に乗り出すなどある程度の事はしています。ただ、南アフリカ次期大統領候補であるズーマ氏も既にコントロール不能だと述べており、ジンバブエの混乱はしばらく続きそうです。
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日本銀行の白川総裁の本
久しぶりに書評です。現日本銀行総裁の白川方明著の「現代の金融政策 理論と実践」を読みました。素晴らしい本ですね。内容は簡単ではありませんが、非常に分かり易く書かれています(言ってる事矛盾してます?)。意外に面白いのでFXやってる方にはオススメです。本の帯にも書かれていますが中央銀行の本質とは何かについて書かれており、物価と成長に対して金融政策はどう考えるべきかなど理論的な事もありますし、バブルに関する事例なども含めてとても実践的に書かれています。もちろん為替に関しても述べられていますし、株式にも触れられ日本銀行総裁という経済の最先端を見る必要がある方が書いた本だけあります。中央銀行の考え方や悩みがよく分かり、これを読んだ上でランケンの南アフリカ中央銀行ステートメントなんか読んだらすっごい勉強になると思います。
以前、紹介した元FRB議長のグリーンスパン氏の本とは違い、中央銀行の業務に特化した本です。従って、白川日銀総裁ご自身については全く書かれていなくかなり教科書的な位置付けです。と言っても、理論的な事よりも実践に力を置いていますので訳の分からない数式はほとんど出てきません。ただし、アカデミクスに関してもきちんと引用されていて非常に本格的な内容となっています。
ややお高い感じもするかもしれませんが、個人的には安いと感じるぐらいです。それだけの価値がある本ですし、2000円程度で売っている本とは違い、為替や経済やってる人には永久保存版クラスの本です。こういうところにお金は惜しんではいけません。
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今週のランド市場
今週水曜日25日は消費者物価指数の発表です。ロイターの調査によると14人のエコノミストのCPIX予測平均値は年率10.8%となっているそうで、先月の年率10.4%よりも悪化する見通しです。これは5年半ぶりの悪化となる見込みです。スタンダード銀行のエコノミストはCPIXは今年第三四半期に12%を付け、来年2009年後半までは10%を超えた状態が続き、その後10%以下になると見ているそうです。これにより政策金利も2009年6月まで下がらないと考えているそうです。
さて、メリルリンチの南アフリカ調査によると今後1年間は南アフリカの経済は悪化すると見ているファンドマネージャーが59%になっているそうです。一方で不景気にまでは至らないと考えているファンドマネージャーは88%と見ているそうでほぼ9割がそれほど悲観的ではありません。ただし、南アフリカの株式市場はややオーバーバリューと考えている人が多いとしています。
今週は指数次第では若干動く可能性がありますが、市場は既にCPIXが12%程度まで織り込んでいると思われます。消費者物価指数が悪化するのは間違いない所でしょうから、後は程度問題で12%よりも上に行きそうな位悪化していると(例えば11%半ばとかまで悪化すると)下落する恐れもあります。ただし、基本的には先日の金利引き上げ時程はランドは動かないはずですので、50銭も動いたりはしないと考えれます。その他にも、生産者物価指数なども今週は出てきますのでこの辺りも今後という意味で重要な点です。
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世界でもっとも生活の質の高い町
世界でもっとも生活の質の高い町が米マーサー社から発表されました。この調査はニューヨークの生活の質を100で基準としてとり、世界215の町を比べて指数化したものです。ヨーロッパ勢が上位独占でアフリカ・中東地域が下のほうに来るのですが、南アフリカのケープタウンはアフリカ・中東地域ではベストとして選ばれました。とは言っても、80位ではあります。ベストに選ばれたのはスイスのチューリッヒでした。下のベスト5を見るとなんかうなずけますね。全般的にスイス、ドイツ、カナダの町が上位の方に来ています。オーストラリア、ニュージーランドなんかも良いポジションですね。
ベスト5
1位 チューリッヒ(スイス)
2位 ウィーン(オーストリア)
3位 ジュネーブ(スイス)
4位 バンクーバー(カナダ)
5位 オークランド(ニュージーランド)
ワースト5も書いておきましょう(ほとんど読めないので英語表記で失礼します…)。バグダッドが最低です。
ワースト5
211位 Ndjamena (チャド共和国)
212位 Khartoum (スーダン共和国)
213位 Brazzaville (コンゴ民主共和国)
214位 Bangui (中央アフリカ共和国)
215位 バグダッド(イラク共和国)
アフリカ・中東では下の感じです。アフリカの町は全般的に低いそうで、ワースト25の内19がアフリカです。
アフリカ・中東ベスト5
80位 ケープタウン(南アフリカ)
80位 ポートルイス(モーリシャス)
83位 ドバイ(アラブ首長国連邦)
87位 アブダビ(アラブ首長国連邦)
94位 ヨハネスブルグ(南アフリカ)
ニューヨークが49位ですのでケープタウンが80位ってのは妥当かな。東京の方がニューヨークよりはいいんですね。シアトルが東京・大阪より下は全く納得いきませんが…(腹立たしいぐらいシアトルっ子のランケンです)。
今回もランキング長いので先に応援だけお願いできればと思います。
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2008 ランク
|
町
|
国
|
Points
|
1
|
チューリッヒ
|
スイス |
108.0
|
=2
|
ウィーン
|
オーストリア |
107.9
|
=2
|
ジュネーブ
|
スイス |
107.9
|
4
|
バンクーバー
|
カナダ |
107.6
|
5
|
オークランド
|
ニュージーランド |
107.3
|
6
|
デュッセルドルフ
|
ドイツ |
107.2
|
=7
|
ミュンヘン
|
ドイツ |
107.0
|
=7
|
フランクフルト
|
ドイツ |
107.0
|
9
|
ベルン
|
スイス |
106.5
|
19
|
シドニー
|
オーストラリア |
106.3
|
11
|
コペンハーゲン
|
デンマーク |
106.2
|
12
|
ウェリントン
|
ニュージーランド |
105.8
|
13
|
アムステルダム
|
オランダ |
105.7
|
14
|
ブルッセル
|
ベルギー |
105.4
|
15
|
トロント
|
カナダ |
105.3
|
16
|
ベルリン
|
ドイツ |
105.0
|
=17
|
メルボルン
|
オーストラリア |
104.8
|
=17
|
ルクセンブルグ
|
ルクセンブルグ |
104.8
|
19
|
オタワ
|
カナダ |
104.7
|
20
|
ストックホルム
|
スエーデン |
104.5
|
21
|
パース
|
オーストラリア |
104.3
|
22
|
モントリオール
|
カナダ |
104.2
|
23
|
ニュルンベルク
|
ドイツ |
104.1
|
24
|
オスロ
|
ノルウェー |
103.7
|
=25
|
ダブリン
|
アイルランド |
103.5
|
=25
|
カルガリー
|
カナダ |
103.5
|
27
|
ハンブルグ
|
ドイツ |
103.4
|
28
|
ホノルル
|
USA |
103.1
|
=29
|
サンフランシスコ
|
USA |
103.0
|
=29
|
ヘルシンキ
|
フィンランド |
103.0
|
=29
|
アデレード
|
オーストラリア |
103.0
|
=32
|
シンガポール
|
シンガポール |
102.9
|
=32
|
パリ
|
フランス |
102.9
|
34
|
ブリスベン
|
iオーストラリア |
102.4
|
35
|
東京
|
日本 |
102.2
|
36
|
リオン
|
フランス |
101.9
|
37
|
ボストン
|
USA |
101.8
|
=38
|
横浜
|
日本 |
101.6
|
=38
|
ロンドン
|
UK |
101.6
|
40
|
神戸
|
日本 |
100.9
|
41
|
ミラノ
|
イタリア |
100.8
|
42
|
バルセロナ
|
スペイン |
100.6
|
43
|
マドリッド
|
スペイン |
100.5
|
=44
|
ワシントンDC
|
USA |
100.3
|
=44
|
大阪
|
日本 |
100.3
|
=44
|
リズボン
|
ポルトガル |
100.3
|
=44
|
シカゴ
|
USA |
100.3
|
48
|
ポートランド
|
USA |
100.2
|
49
|
ニューヨーク
|
USA |
100.0
|
50
|
シアトル
|
USA |
99.8
|
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ランド市場
昨日の南アフリカの赤字幅はかなり大きくややショッキングでしたが、市場は落ち着いていますね。市場としては今回の貿易赤字は既に織り込まれていたそうでそれほどサプライズではなかったんだそうです。先週時点で中央銀行総裁のムボエニが貿易赤字が9%に達する予測を出していたため市場としては落ち着いていたという事です。ランドは今日はむしろ若干強まっていたのですが(直近やや弱いですが)、キャリートレードによる高金利通貨の買いが出ていることなどが理由と市場では見られています。また、RMBのアナリストによるとランドの下落はそろそろ減速するんじゃないかと見ているそうで、ひょっとしたら上昇に入る可能性もあるとしています(どうもこれ期間が分からなくて今日だけの話かも…)。
さて、経済指標は悪いのばっかり出ていて南アフリカのお先真っ暗かと言うとそうでもなくてランド弱体で喜んでいる産業もあります。観光産業です。南アフリカは観光産業が盛んになってきて成長産業でもあるのですが、観光客は主にヨーロッパから来ます。今はユーロも高くランドも弱いのでかなり割安に見えるようで観光収入の増加を期待する声が強いようです。
うーん、今年の年初はまだ高い時期に行ってしまった。今行きたいなー。でも燃料サーチャージもあの時より更に高いかな?
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南アフリカ経常赤字GDP比9%に
2008年第一四半期の南アフリカの経常赤字が対GDP比9%に達しました。2007年第四四半期の1577億ランド(約2兆2000億円)から1946億ランド(約2兆6000億円)へ赤字が拡大していて、アナリスト一般の予測である8.4%よりも悪い結果です。ネッドバンクのエコノミストは経常赤字9%は赤字幅が非常に大きく経常赤字が悪ければ悪いほど南アフリカは脆弱になるので好ましくないと述べています。悪化が進めばランドにも影響を与えインフレにも弱くなると警告しています。ただし、金利引き上げを受けて輸入としての需要は減速し始めており、今後は経常赤字は小さくなるはずだと述べています。
また、小売売上高の方ですが2ヶ月連続で下落です。こちらも金利引き上げの影響が出ていて、4月の小売売上高は0.3%下落です。スタンダード銀行のエコノミストはやっと小売売上高が下がってきたのを見て中央銀行はほっとしているだろうと述べています。実際にお店やっている人たちはたまらんでしょうが、経済全体としてはやむなしなんでしょう。
南アフリカで生活している人はインフレは強いわ、売り上げは減るわで大変でしょうが、外から見てるともう少し下がらないといけないなーなんて思えるんで外から見てるだけってのは楽なもんですね。ランドも下がるから楽じゃないって?でも、インフレ下がらんとランド上がりませんわ。
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フィッチ南アフリカ格付けアウトルックをStableへ
格付け会社Fitchが南アフリカの格付けアウトルックのをPositiveからStableへ変更しました。せっかく先週の南アフリカセミナーでPositiveになったって話を聞いてきた所なのに…。フィッチのアナウンスメントを読んでみました所、南アフリカの発行体デフォルト格付け(Issurer Default Ratings;IDRs)アウトルック見通しをStableとし、長期外貨建て債務のIDRをBBB+、長期自国建て債務のIDRをA、短期外貨建て債務をF2、カントリーシーリングの格付けをAで据え置きました。
フィッチによると、インフレ懸念、政治的な不透明さ、経常赤字の拡大の3点が今回のアウトルック見直しの要因としています。ただし、フィッチとしては財務的に黒字な点や、外貨準備高が十分にある点、変動為替制を取っている点、インフレターゲットを採用している点など堅牢な経済のファンダメンタルを有している点も考慮すると、現在の外的なショックをマネージできると思われるとしてBBB+に据え置いたと述べています。
また、南アフリカの政治的な不透明さに関しては次の大統領選挙がある2009年4月までの間は払拭できず、次期大統領候補ズーマ氏の裁判も解決される必要があるとしています。フィッチとしてはそれほど政治的な変化が起きるとは思えないが、投資家のセンチメントにはこれらが影響するであろうと述べています。
まー格下げではなく、アウトルックが変わったぐらいで要するに当面格付けの変更はないよって感じです。上がるかと思ってたのに。
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南アフリカ商業状況
South Africa Chamber of Commerce and Industry(SACCI)は2008年5月の商業状況調査を発表しました。この指数には現在の状況を示すTAI(Trade Activity Index)と将来の期待値であるTEI(Trade Expectations Index)の2つがあります。現在の状況を示すTAIは2008年5月の指数は43と4月の45よりも悪化しており、今年の2月に記録した50から下降トレンドを辿っています。特に売上高の項目が弱く44となっています。また、新規オーダーの項目も40と下落しています。
将来予測の方のTEIは6ヶ月先の状況を予測する期待値で、こちらに至っては46と2001年8月の調査開始以来最低だそうです。昨年2月に記録した70から下落トレンドが続いています。この理由としては、利上げによる金融引き締めと人件費などのコスト圧力が高まってきた事が指摘されています。
TEIの個々の指数の中には若干の改善点も指摘されています。売上に対する期待値が前月の51から52に上がっている点とインフレが少し緩和する可能性がある点です。インフレに関する指数は相変わらず強いものの、価格に関する指数が若干下がり72ポイントになりました。さすがに金利がこれだけ高くなり消費者の紐がきつくなった状態では価格転嫁しにくい状況を物語っています。
全般的にまだ非常に厳しい状況ですね。金利引き上げを継続していますから当然の結果ではありますが、問題はインフレ抑制が追いついていない点でしょう。
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青年の日
本日、6月16日は南アフリカはThe Youth Day(青年の日)という休日で南アフリカ市場はお休みです。この祝日の日について書こうかなと思ったんですが、歴史モノですし3000人の読者の内どれぐらい読んでくれるだろうか…と思ったりもしたので、商品市場の方を書くことにします。一応、一言お話しすると1976年の6月16日にタウンシップのソウェトで学生(ティーンエイジャー)が政府の差別的な教育に対して不満を表明するデモを起こし、数百人の若者が射殺された日です。この日をYouth Dayとして休日としています。さて、金価格の方ですが1オンス$870前後で推移しています。今年3月に1オンス$1000を付け、その後下がってきましたが、この2ヶ月ぐらいは$850から$950の間でボックス圏に入っています。各種レポートを見ていても、USドルが強くなってきていると指摘されていて、このため商品価格の上昇がやや停滞気味な感じします。特に金価格は下落基調にあるとの見方まで出ています。
一方で、インフレによる商品価格上昇の期待もあります。インフレは通貨価値の下落を意味しますので(同じ重さの金を買っても、インフレの時は値段が上がりますので通貨価値が下がり金など実物資産を持っていた方が有利とされます)、金などの商品を買う圧力が強くなります。インフレが現在世界的に進んでいて、インフレ対抗策として金が買われるという観測です。
結局この両者の綱引きになっていて、ボックス圏に入っているのですが結局のところUSドル次第ではないかというのが市場の予測です。インフレ懸念にしてもそれでドルが売られるのかどうか。もしUSドルが買われるのであれば、結局は金価格も下落しそうだという意見が多そうです。
また、原油価格の行方も気になります。さすがに価格高騰はやや一服してますし、サウジアラビアが産出量を増やすと言う話も出ています。現在より20万バレル/日増やし970万バレルにすると新聞には出ていますが、公式にはどれだけ増やすか出ていませんので原油価格にインパクトを与えれるかどうか疑問ではあります。一応、原油価格が上がりすぎている事への対応ではあるのですが、サウジアラビアは供給側の責任だと言われるのを回避するがために増やしているぐらいのようです。
日本なんてただでさえ低金利でインフレになったら実質金利大幅にマイナスです。今でさえ貯金寝かしてるの悔しいのにこのままだと減ってっちゃう。早くなんとかしてほしいものです。まーたいして貯金もありませんが、ボーナス多少はもらったんでどこに置こうかな。とりあえずトヨタ株を堅く買ったりしましたけど、後はドルに入れるかランドに入れるかオーストラリアか…。ポートフォリオをにらみながら決めます。
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世界銀行Global Development Finance Report 2008
6月10日に世界銀行のGlobal Development Finance 2008の会合が南アフリカのケープタウンで開催されました。この会合において世界銀行が南アフリカの経済について良好な見通しを発表しました。今年、南アフリカの経済は急激な下落と当初想定されていましたが、堅調な成長を実現し今年は4.2%の成長となるとの見通しを発表しました。これは今までの市場での予測3.4%よりも強く、南アフリカ公式見解よりも若干上になっています。
この中で、現在のサブプライムによる世界的な金融の混乱や南アフリカの経常赤字は南アフリカの成長が突然止まる理由にはならないとして、世界銀行では南アフリカの成長のポテンシャルは高く今後も成長が続くとしています。これは既に多くのプロジェクトや投資活動が動いており、そんなに簡単には止められない事を言っています。
一方で、長期的なリスクとしてはインフレと世界景気の悪化が指摘されています。これが継続すると南アフリカへの投資が細り、経常赤字のファイナンス上問題が出てきます。
世界銀行では南アフリカの経済成長を2009年は4.4%、2010年は4.8%としており、南アフリカの公式発表よりも強くなると見込んでいます。日本やアメリカの成長率は2%前後ですから、5%弱に戻れば上出来かもしれませんね。新興国の平均とほぼ同じレベルになります。
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南アフリカ金利引き上げについて
南アフリカ中央銀行ムボエニから2%の利上げとの発言まで出ていたにも関わらず、昨日の南アフリカの金利引き上げは0.5%と小幅にとどまりました。市場予測は1.0%を完全に織り込んでいたため大きなサプライズとなりランド下落に結び付けましたが、市場ではかなり南アフリカ中央銀行に対する怒りの声が強いようです。リーマンブラザーズによると、今回の金利引き上げは南アフリカ中央銀行が述べているインフレに非常に強く対応する必要があるという発言とまったく整合性が取れていないと述べています。また、中央銀行によるインフレ圧力が12%でピークを付けるという予測は民間予測よりも大きく、そこまで考えているのになぜ金利をもう少し上げないか理解に苦しむとの事です。
また、スタンダードチャータード銀行は南アフリカのインフレターゲットの信用に関わる問題だと厳しく指摘しています。市場では労働組合からの圧力が背景にはあるのではないかとする声が出ているそうです。一方で、ネッドバンクのエコノミストは金利引き上げにより成長が妨げられるとランドは更に強く下落する恐れがあると述べており、ここがバランスの難しいところでしょう。
今回、南アフリカ中央銀行は成長の停滞に関して多くの時間を費やしており、ハードランディングを阻止するために金利引き上げを小幅にしたようですが、次回8月とその次の10月も金利引き上げを更に行なうであろうというのがリーマンの予測です。年内に13%になりますかね。
まー、でも既に12%ですからねー。相当高いレベルにはあるんですが、ちょっと市場との対話に失敗した感じはしますね。発表前にあんな強気な事言わなければ良かったのにという気はします。
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南アフリカ政策金利ステートメント
南アフリカ中央銀行は大方の予測に反して0.5%の政策金利引き上げとしましたね。市場でもかなり驚いたようでランドが大きく売られました。さて、注目の政策金利決定会合のステートメントです。イントロ
原油価格及び食料品価格の継続的な高騰を受けインフレの見込みは悪いままである。インフレ圧力を受けている国の数は増えており、世界経済と国内経済の減速に反して世界的にもインフレの上昇圧力は強まっている。国内的には、物価高騰が広まりを見せており、インフレ見通しは更なる悪化にさらされている。インフレの不確実さに電気料金の上昇のアナウンスが加わる。
最近のインフレ
2008年4月の消費者物価指数(CPIX)は3月の10.1%から比べて悪化し10.4%となった。継続的な食料品と原油価格の圧力が主な理由であるが、必ずしもこれだけではない。原油価格は年率30.5%の上昇となっており、食料品は15.9%の上昇で、これら2つのカテゴリーでCPIX上昇の半分を占める。一方で、食料品とエネルギー価格を差し引いてもインフレ率は6.1%となり、その他の物価上昇にも広がっている。特に衣料品や靴、水、家庭用消費財、燃料、電力などにも価格上昇は広がっている。
生産者物価指数は3月の11.9%から4月の12.4%に悪化した。農産品は2007年10月に年率27%の上昇であったが4月は6%まで下落し、加工食品は年率20%前後で推移している。
インフレの見込み
南アフリカ中央銀行の最新の予測は以前と比べてインフレの更なる悪化を指し示している。現在、消費者物価指数は2008年第三四半期に約12%を付け、これがピークとなると想定しており、2010年の第三四半期に6%以下のインフレターゲットに戻ると推定している。以前の予測ではピークは9.3%としていたが、ランドの下落及び国際的な原油価格上昇により悪化した。また、エスコムの電力問題による電気料金引き上げは前回の予測には入っていなかった。
民間の分析による予測もまた前回の政策金利決定会合から悪化している。2008年5月のロイターのコンセンサス予測によると2008年第三四半期にCPIXは11.3%でピークになるとされている。多くの回答は2010年でインフレターゲットの6%以下になるとなっており、政府債券とインフレ連動債券の利子の差で見たインフレ率のブレークイーブンポイントもインフレ予測の悪化を示しており、現在ターゲットレンジの6%を越えている。
The Bureau for Economic Research(BER)により実施された調査もインフレ悪化が泡割れており、2008年第二四半期の間、インフレに関する全予測が更に上昇している。2008年の平均インフレ率は前回調査の7.8%から8.9%となっており、2009年は若干緩和すると見られ2009年は平均7.9%、2010年は7.2%と予測している。
インフレ見通しの主なリスクは電気料金の更なる引き上げによるもので、来週南アフリカ国立エネルギー省よりアナウンスが行なわれる。また、原油価格、食料品価格、ランドのレートなどもリスクとなる。
原油価格の高騰は驚くべきレベルで加速しており、とどまる所を知らない。直近では、ブレント原油価格は1バレル約140ドルを付け、前回の政策金利決定会合における1バレル107ドルを大きく超える。南アフリカ国内の石油価格も1リットルあたり5月に50セント上げられ、6月にも55セント上げられた。2008年1月以来2.50ランド(約32円)の累積となり、7月にも更なる値上げの可能性がある。
食料品価格はまだ上昇リスクがあり、国内においていくらかポジティブな見通しもあるものの、世界的なトレンドを考えると部分的に帳消しになる。とうもろこし価格の世界的な高騰にもかかわらず国内のスポット価格は生産量の見通しを受けて下がっている。しかし、ランドの下落がこの下落を制限している。また、国際的な小麦と米の価格がまだ高いものの、小麦価格は最近の最高値よりは下がっている。既に述べたように脳作品の価格インフレは大きく4月に下がったものの、このトレンドが継続するかを判断するにはまだ早い。
ランドのレートは前回の政策金利決定会合時の1ドル7.9ランドとほとんど変わっていない。5月にはランドは7.5ランドまで上昇しているが直接投資に関する投機的な動きの結果1ドル7.5ランドまで上昇した。
ランドの脆弱性はUSドルの変動、商品価格の動き、国内経済成長への懸念、南アフリカ政府の金融政策などに表れる。ランドは経常赤字の拡大にも弱い。これらは原油価格高騰の結果であり、インフラ投資プロジェクトに関する資本財輸入への強い需要の結果でもある。資源の輸出は電力供給の鉱山への減少に伴い減少している。現在のところ、経常赤字は適切にファイナンスされている。
これらのリスクがあるにも関わらず、南アフリカ中央銀行の金融政策のスタンスを難しくする多くの要因がある。家庭部門の消費支出の増加は金利引き上げの結果下落を続けており、可処分所得の増加は減速している。2008年第一四半期における実質家庭支出は年率3.3%で成長成長しており、前四半期の3.8%から減速している(2009年第四四半期の9%がピークであった)。最近の四半期毎の減速は耐久財の8.1%の減速によるものである。2008年5月の新車販売数は2007年5月の新車販売数より24.6%下がっており、商用車も自家用車も大きく減少している。小売の成長も同様に下がり続けており、年率1.7%3月は減少となった。ただし、2008年の第一四半期の成長は2007年第一四半期に比べて0.6%増加している。
これらの消費トレンドを反映して民間部門の信用拡大は高いレベルであるものの緩和の兆しが見える。2008年4月における銀行の民間へのローン総額は12ヶ月で21.5%の増加となった。3月の23.6%に比べて緩和されている。また、住宅ローンの増加も4月には21.6%となり減少、割賦販売及びリースも11.8%へ減少となった。これらは自動車や他の耐久財の消費下落を反映したものであり、可処分所得に対する債務の割合は77.6%から78.2%へと増加し、可処分所得に対するサービス債務の割合も10.9%から11.3%へと増加した。
ここ数年の成長はポテンシャル成長率を超えていたが、現在の経済は減速の兆しを見せている。2008年第一四半期のGDPは年率2.1%と2007年第一四半期の5.3%に比べて大きく減少した。農業部門は力強いパフォーマンスを見せたが主なセクターは13%下落し、これは主に電気供給の制限によるものであった。経済減速は製造業の1%の成長に見られるように広範に及ぶ。製造業の稼働率も2008年第一四半期は下がっており、今後も低い成長となると思われる。昨日発表の製造業の生産量増加も見られるが、景況感指数は全体的に下がっている。ただし、国内総固定資本形成(民間住宅投資+民間設備投資+公共投資)は比較的堅調である。
ヨハネスブルグ株式市場は高値を更新したが、若干戻りガ見られる。ただし、株式指数は2008年1月以来6%の上昇で、商品価格が26%も上昇した結果、資源部門が大きく上昇したことによる。鉱業指数はあまり変化なく、金融セクターの指数は23%の下落している。住宅価格は減少をはじめていて、2008年2月以来ミドルクラスの住宅価格が下がっている。スタンダード銀行の指数によると5月は年率13.3%減少した。
世界経済の見通しは不透明であるが、金融危機の最悪期は過ぎたと見られる。世界経済の成長は抑制されると思われるがその減速の期間と程度はまだ不透明である。多くの国でインフレ圧力が高まっており、インフレ圧力と経済減速との戦いとなっている。インフレ圧力が高まるにつれ、金融政策が注目されるが多くの中央銀行は金融引き締めで対応している。
政策金利
インフレ見通しの悪化と経済の金利に対する反応を考慮した結果、今回の金利引き上げは0.5%とする。これによりレポレートは12%となり、6月13日から有効となる。南アフリカ中央銀行は今後リーズナブルな期間を経て6%以下のターゲットに戻すように努力する。
以上です。(あー長い、訳すの疲れた…ブログでこれはちょっとやり過ぎというものか・・・)。
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スタンダード・チャータード銀行の南アフリカセミナー
先週、ちょっと普通では入れないと思われる銀行で南アフリカセミナーを聞いてきました。プライオリティ・バンキング(富裕層に特化した銀行)のスタンダード・チャータード銀行丸の内支店です。なんと預け入れ金額2000万円以上で、本来なら私などには敷居が高い銀行なのですが、今回セミナーを聞かせてもらう事が出来ました。日本では、限られた人のみが利用する銀行です。ステータスですなー。スタンダード・チャータード銀行は南アフリカとの関連が深い銀行ですので、ちょっと紹介しておきましょう。スタンダード・チャータード銀行は日本での知名度はあまりない感じがしますが、ロンドンに本社を置く世界トップクラスの銀行で、2007年の売上高は110億ドル(約1兆1000億円)、税引き前利益40億ドル(約4000億円)に達します。特色として発展途上国に強みを持つ銀行で、なんとシエラレオネ(平均寿命42歳で世界で最も短い国の1つです)にまで支店があります。また、香港ドルを発券できる3大銀行の1つとなっています。
スタンダード・チャータード銀行の起源は南アフリカにあります。現在も南アフリカにはスタンダード銀行という銀行があり、この南アフリカのスタンダード銀行とインドのチャータード銀行が合併して出来たのがスタンダード・チャータード銀行です。ただし、スタンダード・チャータード銀行はアパルトヘイト時代に南アフリカのスタンダード銀行と一度手を切っており現在はそれほどの資本関係がある訳ではないようです。この銀行はランド建て定期預金が出来る(すごい!)など他の銀行とは違う面があり、スタンダード銀行と共にまた別途書きたいと思います。
セミナーの方は50人位いらっしゃってましたかね。富裕層でランド投資をしている方(もしくはしようとしている方)が50人もいらっしゃるのはちょっと驚きでした。いる所にはいるんかなー。ランケン読者の中にもひょっとしたらいらっしゃるかもしれないですね。
さて、お題目のセミナーは「南アフリカ成長戦略」と題するセミナーで、南アフリカ経済参事官の方から現在の南アフリカ経済についてのお話がありました。ちょっと面白かったのでセミナーの内容を一部報告します。
南アフリカ大統領選挙について
昨年、与党ANC総裁にズーマ氏が選出されましたが、ズーマ氏は汚職疑惑などがあり現在裁判中の身です。この裁判の結果が今年8月に出る予定で、この結果次第では与党総裁選挙が再度行なわれる事になります。元々市場からはあまり評判の良くない人ですので失脚も十分ありえるのですが、いずれにしてもこの判決は市場の注目度合いも大きくランドが動く可能性があります。南アフリカの貿易赤字について
南アフリカは現在貿易収支が赤字です。これがランドに影響を与える場面も多々あるのですが、この貿易赤字の質が変わってきています。今までの貿易赤字は景気過熱による過大な消費支出でした。現在、これが固定資本へとシフトして来ているそうです。つまり、単なる消費から将来の成長へ向けての資本を蓄えるための赤字となってきているんだそうです。もし、今後もこれが続くのであれば貿易赤字は即ランド売りという流れは変わる可能性があります。電力危機について
南アフリカの電力危機問題に関しては現存の古い施設なども利用し、2010年のワールドカップまでに3つ稼動させる予定です。ワールドカップ期間中はスタジアム専用の発電機を別途設置するそうです。また、新規の発電所は2011年までに更に2つ完成する予定だそうです。南アフリカの財政について
南アフリカは現在財政黒字を維持できており、債務削減も早く行なえているそうです。これにより、政府の利払いが減っており、2007年にムーディーズとフィッチは信用格付けを「Stable]から「Positive」へ引き上げています。南アフリカへの移民について
ご存知のように南アフリカでは、現在外国人排斥運動が起きています。南アフリカにいる外国人の数は500万人とも言われています。4500万人の人口に比してかなり大きな割合ですが、南アフリカ政府としては移民政策を変えないと述べています。南アフリカは自国のみの成長は良くないと考えており、ジンバブエなどの周辺諸国も一緒に成長しなくてはいけないとの言葉が印象的でした。ランドについて
ランドの為替レートについてもお話がありました。あくまでも、この経済参事官の個人的な予測ですが1ドル=6.5ランドから7.9ランドの間で推移するのではないかとの事です。1ドル=105円でしたら、13円から16円前半ぐらいになりますね。1ドル110円を仮定すれば17円弱まで届くことになります。とは言うものの現在のランドのレート1ドルほぼ7.9ランドまで来ていますから、この経済参事官さんは結構強気です。と言う訳で、富裕層向け南アフリカセミナーを聞いてきた報告とします。個人的には知ってる内容も多かったのですが、結構参考になりましたね。
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金利予測と配電ビジネス
南アフリカの政策金利決定会合は明日、あさっての2日間です。南アフリカ中央銀行総裁は2%の利上げを示唆していますが、どれだけ上がるかが注目です。現在、イールドカーブでは12.5%を超えています。現在のレポレートは11.5%ですので、市場としては1.0%は確実で、1.5%もしくは2%の可能性もある位の予測です。まーでも1%で落ち着くと見てる感じでしょうか。ヨハネスブルグ株式市場の方は下落しています。新興国からのリスク回避志向が強まっている事と、原油価格高騰によるインフレ懸念が強いとの事です。市場では原油価格は1バレル100ドルまで戻ってこないと世界的なインフレは抑制できないとしています。
さて、今日は南アフリカの電力危機に関しても書いておきます。南アフリカの産業界は民間部門による配電ビジネスの参入を許可するように求めました。民間部門としては電力は投資対象として魅力があると見ているようで、民間参入により長期的な電力リスク軽減を図るべきだとしています。
もちろん、電力供給は公的側面も大きいため、実現にはしっかりとした法的フレームワークの立法が必要です。この立法に反対勢力もいるようで(地方自治体のようです)政治問題でもあります。配電ビジネスってきっと周辺諸国への配電も見据えているんじゃないかと思います。周辺諸国にはほんとに電気ないですし、安定的なビジネスとしてうまみがありそうですよね。
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原油価格1バレル150ドルへ
原油価格が凄いことになっていて、株式市場も為替も大揺れですね。一方で、現在の原油価格のレベルは維持不可能と言う声があちらこちらで聞かれまして、いずれ修正局面に入るであろうとの予測が多くあります。一時、1バレル138ドルと史上最高値を付けましたが、現在のNYでの原油価格は1バレル137ドル弱、ブレント原油も136ドル半ばです。市場では150ドルを目指して動いているとの情報が流れているようです。原油価格は先週の2日間で16ドルも上昇していまして、なんと13%ほどの上昇です。この要因はいくつかあるのですが、最も大きいのはアメリカの失業者数が大幅に上昇した事と、EUが金利引き上げを示唆した事によりドルが弱体した事が要因だそうです。
また、イスラエルはイランがもし核兵器開発を続行するなら攻撃を行なう事を明言しました。それによると、経済的な制裁や圧力はもはや役に立たず、イラン攻撃しか手はないと述べられていて、アメリカの協力なしでは行なわれないとなっています。アナリストは実際問題として軍事行為が行なわれる可能性は高まったと見ているそうです。
イランはOPEC(原油輸出国機構)第4位の原油輸出国ですから、イランへの軍事的攻撃があれば原油市場に大きなインパクトを与えます。この懸念も原油価格高騰の原因になっていて、原油価格高騰がなかなか沈静化しない状況に陥っています。モルガンスタンレーはアメリカの独立記念日である7月4日までに原油価格は1バレル150ドルを付けると予想しています。
原油価格のチキンレースは続きそうです。
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IMFのサハラ以南レポート(民間資本流入)
南アフリカはインフレで苦労していますが、サハラ砂漠以南の経済は好調です。IMFは民間投資によりサハラ砂漠以南の経済成長が加速しているとのレポートを発表しました。IMFはまず全体感として
・投資家はサハラ砂漠以南のマクロ経済に惹きつけられている
・政策担当者はマクロ経済のブレや金融セクターの不安定さを極力抑える必要がある
・資本流入により利益を得れるかどうかは金融マーケットと国内機関のがより良く強くなれるかに依存する
としています。
今回のIMFレポートは民間資本流入がメインとなっていまして、IMFは2007年のサハラ砂漠以南の民間資本流入は500億ドル(約5兆円)に達したと見積もっています。この地域への流入上昇分の9割は南アフリカとなっていますが、ガーナ、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ザンビアなどのリスクレートが下がった国への投資も活発となっています。
直接投資(株式や債券や為替などではなく工場建設などの長期目的の投資。株式も時価総額の10%以上は直接投資とみなされます)はやはり資源国に大きく流れており以下のようになっています。
ナイジェリア 29.4%
南アフリカ 18.2%
赤道ギニア 9.1%
アンゴラ 5.2%
チャド 3.8%
その他 34.3%
世界的な過剰流動性がサハラ砂漠以南への資本流入の理由の1つとなっていますが、投資家が現在魅力に感じているのは政治的な安定度が増したことによる堅調なマクロ経済のパフォーマンスや資金高騰による高いリターンが期待出きるという点にあります。IMFではこれらが投資レートの改善に反映されているとしています。
IMFで述べている中で凄いなと感じたのが、サハラ以南の現在の成長が1980年代の東南アジアと比べる事が可能だとしている点です。下のように1980年代のASEAN諸国と比してなかなかいい数字です。1980年代のASEANの高成長時のインフレ率はかなり高いですね。アフリカの問題点は債務かな。
1980年代ASEAN | 2007年、ボツワナ、ガーナ、ケニヤ、モザンビーク、ナイジェリア、タンザニア、ウガンダ、ザンビア | 2007年サハラ以南アフリカ | |
GDP成長率 | 7.3% | 6.4% | 6.6% |
インフレ率 | 17.0% | 7.1% | 7.9% |
金融深化 (M2/GDP) |
27.2% | 27.9% | 52.4% |
対GDP比政府支出 | 19.4% | 22.8% | 25.1% |
外貨準備高 (輸入に対する月数) |
3.6 | 10.0 | 5.8 |
対GDP比債務 | 3.4% | 9.9% | 23.2% |
海外直接投資 (10億ドル) |
2.6 | 13.0 | 31.8 |
ポートフォリオ流入 (10億ドル) |
0.2 | 0.9 | 18.8 |
さて、IMFは現状の先進国による援助がこの先あまり伸びない事を勘案すると、民間資本の投下の伸びはこの地域に多くのチャンスを作り出すとしています。特にインフラが新興国には必要ですので、これをファイナンスするためにも大きな意義があるとしています。反面、大きな民間投資はマクロ経済を脆弱にする可能性もあるとしていて、通貨の上昇を通して競争力減につながるとも述べています。
さて、今後ですが民間資本流入は今までの援助の代わりとして重要な位置付けになってくるであろうとIMFではしています。もちろん、マクロ経済の不安定性などを回避するために、堅調なマクロ経済運営や資本政策の透明性、金融セクターの改革が今起きている資本流入を生産的に使う事につながるので、まずはこれらが重要ではあると同時に述べています。
更に長期的な観点としては、サハラ砂漠以南の成長は国内制度とより強固な金融マーケットが築けるかどうかに依存し、今後も努力を続ければ報われるであろうとしています。
ランドが底堅いのもこの辺があるんでしょうね。アフリカの国はまだまだ難しい国が多いので、南アフリカを全く介さずにっていうのは難しい面もあるんだと思います。特に民間による投資は政府は何もしてくれませんので民間でいかにリスクを減らせるかと言うのは大事なファクターでしょう。南アフリカの重要性は高いでしょうね。
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ランドはエリート通貨
先日からコメントでちょっと話題になっている話でランドってどんな通貨かって話を書きたいと思います。突然ですが世界の通貨の種類っていくつあるでしょうか?Wikipediaで調べてみたところ170位はあります。基本的に国が違えば通貨も違うので(韓国と北朝鮮は両方ともウォンでどう数えるか微妙な例外ありますが)、国の数だけある感じですね。ドルと名の付く通貨だけでも一杯あります。ブルネイ・ドル、カイマン諸島ドル、ジャマイカ・ドル、リベリア・ドル、ナミビア・ドル、バルバドス・ドル、バハマ・ドル、ベリーズ ・ドル、バミューダ・ドル、東カリブ・ドル、フィジー・ドル、ガイアナ・ドル、シンガポール・ドル、ソロモン諸島ドル、スリナム・ドル、ニュー台湾ドル、トリニダード・トバゴ・ドル、ジンバブエ・ドル、香港ドル、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、カナダドル、USドル
ところでお金の機能って何か言えますか?中学校ぐらいで習っているはずですが以下の3つです。
・価値保存機能(時間と場所を経ても価値を証明できる)
・価値尺度機能(価値が大きいかどうかをはかる計算の手段)
・価値交換機能(交換手段として決済が出来る事)
この3つは通貨の基本として当たり前ですが、外国為替の世界では当たり前と言えるかと言うとそうでもありません。1番の価値保存機能なんてランド安になると我々の資産価値が下がっちゃったりして身にしみますよね。2番はそんなに問題ありませんが、為替の取引をしている我々としては3番目の決済出来るかどうかも非常に重要です。
さて、外国為替の世界で本当の意味で決済に用いられる代表的な通貨ってどれでしょうね?USドルやユーロ、円は使われていますね。でも、ジンバブエドルなんて使ってるのはジンバブエの人だけで外国為替の世界では通用しないでしょう。ブルネイドルもカイマン諸島ドルも余り流通してません。では、中国元は?インドルピーは?ブラジルレアルは?ロシアルーブルは?トルコリラは?アイスランドクローナは?
実は世界的に決済に使われる代表的な通貨って2008年3月時点で17種類しかありません。この17種類の通貨はCLS銀行という銀行で即時決済が行なわれる通貨達です。1日平均3兆3千億ドル(350兆円)、今年3月には10兆ドル(約1000兆円)の決済を行なっています。これで世界で行なわれる決済の実に98%を占めます。
CLS銀行は各国中央銀行及びBIS(国際決済銀行)の支援を受け世界各国の大銀行により設立された銀行で、世界規模での為替決済を行なうための銀行です。実質的にはFRBにより規制されていて、57のメンバーとなる銀行(CLSの株主になります)と1846のサードパーティー(投資銀行なども含まれます)がこの銀行と取引できるようになっています。
このCLS銀行で決済が出来る通貨は時差による決済の遅れも無いため高い流動性を確保できます。従って、通貨としての信用が高い通貨であり投資家からも安全に取引される通貨とされ、通貨のエリートクラブと呼ばれています。南アフリカランドはこの17通貨の1つで、新興国通貨としては世界で最も活発に取引されている通貨です。
このエリートクラブに入っている通貨は下の表になります。
国 | 通貨コード | 通貨 |
オーストラリア | AUD | オーストラリアドル |
カナダ | CAD | カナダドル |
デンマーク | DKK | デンマーククローネ |
EU | EUR | ユーロ |
イギリス | GBP | ポンド |
香港 | HKD | 香港ドル |
イスラエル | ILS | イスラエルシェケル |
日本 | JPY | 日本円 |
韓国 | KRW | 韓国ウォン |
メキシコ | MXN | メキシコペソ |
ニュージーランド | NZD | ニュージーランドドル |
ノルウェー | NOK | ノルウェークローネ |
シンガポール | SGD | シンガポールドル |
南アフリカ | ZAR | ランド |
スウェーデン | ZEK | スウェーデンクローナ |
スイス | CHF | スイスフラン |
アメリカ | USD | USドル |
割とFXでおなじみの通貨が多いですね。イスラエルなんてのが入ってておかしい。さすがイスラエルって感じします。ちなみにイスラエルとメキシコはわずか2週間前に追加された新顔で、メキシコ中央銀行総裁はCLSに入ることによりメキシコの金融の安定に繋がる大事なステップであると歓迎の意を表しています。ランド入っていて良かった!と言う訳で通貨のエリートの一員ですというお話でした。
まーだからといって下落しないって訳じゃないんですが、通貨として基本の決済機能をきちんと有しています。これは流動性の確保につながりますので、先日のアイスランドクローナみたいな逆スワップが付いちゃう可能性はかなり低くなります。
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南アフリカ景況感指数
南アフリカの5月の景況感指数が発表になりました。4月の景況感指数は93.4ポイントでしたが90.0ポイントとなり若干の悪化です。2007年1月以来下降トレンドをなしています。この景況感指数は13の指数をまとめたものです。今月の結果は7つの指数がネガティブとなり、4つがポジティブという状況です。SACCI(South Africa Chamber of Commerce and Industry)では金融政策引き締めによる金利引き上げの動きが強まる中、短期的には景況感指数の悪化も見込まれるが、正しく金融政策がとられれば中期的、長期的にも景況感指数が改善すると信じているとしています。(今はあんまり自信ないと言ってる気もしますねここ・・・まーそらそーか)
また、SACCIは原油価格高騰や世界的な食料不足が現在最も大きな懸念事項であると発表しています。と同時に外国人排斥運動もネガティブ要因としてビジネスに影響しているとしており、この暴動は南アフリカへのイメージに影を落とすとしています。この件に関しては5月時点では大きな影響が出ていないものの、今後出る可能性はあるとしています。
SACCIでは南アフリカのインフラや構造問題が国内経済に不確定要素を加えており、これが景況感悪化に当面影響するだろうと結論付けています。
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南アフリカインフレ長期化の見通し
南アフリカ中央銀行はインフレが予想よりも長期化する見通しである事を公式に発表しました。それによると、南アフリカの現在のインフレターゲットである6%以下には2010年までには到達できる見通しは低いとなっており、今後更なる金融引き締めに動く可能性があることを示唆しました。既に南アフリカ中央銀行総裁のムボエニは2%の金利引き上げの可能性に言及していますが、これを再度強調した形となっています。
2002年9月に南アフリカのインフレ率は11.3%を記録しています。残念ながら、今年第三四半期にはこのインフレ率を超えると見られています。ちなみに、2002年の時の消費者物価指数(CPIX)の政策金利(REPO)は13.5%で南アフリカ中央銀行総裁ムボエニの2%上げて13.5%にするという数字はここから来ているのだと思います。また、2002年の13.5%の金利は2002年9月から2003年5月までの8ヶ月間続きました。
さて、市場の方はこれを受けて来週の南アフリカの金利引き上げは確実と見ているのですが、問題はその割合です。0.5%ではすまないが、2%来週時点であげるかと言うとそこまではしないだろうというのが市場の予想のようで、1.0%の利上げと読んでいるようです。
南アフリカ政策金利決定会合は11日、12日です。
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ソロスの原油価格コメント
アメリカが早くも利上げに動くような見通しがOECDから出ていますね。現在の2%から4%まで段階的に引き上げるようです。サブプライム危機が峠を越した事を意味すると思ってもいいかもしれません。ただし、これで世界経済も一安心かと言うとそうでも無さそうです。原油価格高騰により米国経済は不景気になる見込みだと、あのジョージソロスがアメリカ上院議員の公聴会で証言しました。ソロスは、原油価格高騰をバブルと呼んでおり、既にバブルそのものが原油価格高騰のトレンドを作り出しているとの話をしています。
また、原油市場はバブルではあるが暴落はそれほど差し迫ってはいないとしています。現在の原油価格高騰は既にファンダメンタルで説明できるレベルを超えていますが、その責任の一部は原油のみを買う商品インデックスファンドにあるとソロスは考えているそうです。このトレンドはまだ続く可能性が高そうですね。
ランドとしては商品価格高騰は下支えになるのですが、余りにも高騰すると下落時が怖いですね。同時に、アメリカ経済が原油価格で不景気になるのであれば世界経済にどう影響するか、南アフリカにどう影響するかが注目です。そろそろサブプライムは過去になりつつあり、今後注目はやはり原油価格になっていくかもしれません。
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南アフリカ新車販売台数大幅減
南アフリカの5月の新車販売台数が大幅に減少しました。先月と比べて8850台減り22647台となりました。前月の31497台に比べて実に28.1%の減少となります。また、小型商用車や小型バスなども17.2%減となっておりこちらも大幅な減少です。いままで、調子の良かった中型・大型トラックもここへ来て販売台数が苦しくなっています。中型トラックは33.7%減で464台減少の912台、大型トラックは若干増えて130台増加し1982台となりました。
自動車などの大物販売は金利動向の影響を受けやすいのですが(ローン金利が高くなるため皆買いたくなくなります)、この影響をもろに受けています。ただし、今回の減少に関しては5月の初めに祝日があったことも影響している面もありますのでそこあ差し引いて考えるべきかもしれません。それでも高いですが。
さて、輸出のほうはまずまず好調のようで23210台の新車を輸出しています。前月の14820台に比べてなんと56.6%増加です。NAAMSAでは、2008年の新車販売台数全般としては低下圧力が続くであろうとしています。理由としては金利高騰、インフレ圧力、債務が高いことなど多くの下落圧力が南アフリカ国内に残るためとしています。
最後にNAAMSAはこの金利高は今のところは消費者に対して理想的な消費減衰効果を与えているものの、これ以上は不景気入りになりかねないとして、金利政策に対して注意を喚起しています。
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南アフリカ貿易収支悪化
南アフリカの4月の貿易赤字が大幅に悪化しました。4月の貿易赤字は100億ランド(約1300億円)となり、3月の貿易赤字50億ランドの2倍悪化しています。予想の65億ランドと比較しても予想外に悪い状況です。この原因は原油価格高騰が大きく、原油の輸入価格は歴史的な169億ランドとなったことによります。スタンダード銀行のアナリストによると、南アフリカへの資金流入がスローダウンしている事も勘案すると、やはりこれは心配な出来事で、今年は成長率も3%程度が予測されています。
原油の輸入自体も増えているようで、南アフリカの電力危機を背景に法人も個人も発電機を購入しています。このため、ディーゼルに対する需要が増えており、これが原油輸入の増加となって表れているとの事です。
これを受けてランドは下落しています。現在1ドル7.7ランドまで下落しています。ランド円も13円台後半から13円台半ばまで来ていますね。日本のガソリン価格も急騰していますが、南アフリカも同様です。1970年代のオイルショック状態な感じすらします。世界的な景気後退にまで発展しなければいいのですが。
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出張
