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南アフリカ先週の重要指数まとめ
先週の南アフリカの消費者物価指数、貿易収支の指数は概ね想定範囲内だけどちょっと貿易収支が悪いかなぐらいの感じでしたね。ところがランドはむしろ強くなってきていましす。この理由の1つに金価格が上昇している事が大きくあります。先週末時点で金の価格は1オンス$743となっており、28年ぶりの高値を抜いて相変わらず上昇を続けていましてすごい事になっているような感じもします。ランドはこれに押されて強くなっています。
さて、先日記事にしましたように金価格の上昇はドルの弱体によるものという側面があります。ここで、今年の2月にランケンで「2007年の金価格の見通し」という記事を書いたのですが、これを今読み返すとドルの弱体などが触れられていて結構当たっています。
2007年の金価格の見通し
予測したのはGFMS(Gold Fields Mineral Services)社という会社で金の世界的権威の会社で、やっぱりこういうところはチェックしておかないといけないなと改めて感じます。実際の価格は予想よりも高くなっているのが現状ですが需給面やドル弱体に関する予測などはすごいなと思ったりします。
GFMS社
さて、気になる今後の金価格ですが、28年ぶりの高値更新と言う事で昔のデータがほとんどなく難しい状況になってきました。恐らくですが、上記で記したアナリストの多くもここまで高くなると予測が難しくなってくるので控えめな予測を年初にしたのではないかななどと思ってしまいますね。
1つ今の流れとして言える事はドル弱体の流れです。この流れは金価格押し上げにつながりますので、地合いは良い事が想定されます。そうなるとランドも堅調な展開が望めるかもしれませんね。
でも、原油価格にしても最近高すぎる気もします。あまり上がると怖いですよね。しかも、最近はガソリン価格上昇だけでなく、食品価格まで上昇しだしたようですので、いよいよ日本にもインフレの影響が出てきそうです。日本円の金利は上がりかけてますが、商品価格の上昇の方が早いのではないかと不安に思います。(それ以前に私の給料あがらないぞと…給料の上昇よりも物価上昇の方が早かったりして…シャレにならない…)
ランドはすごい高いとまでは思えませんのでまだ良いのですが消費者物価指数が6%を下回ってきて回復基調に入ると上がるかななんて思いますので期待しつつ、上がりすぎるなよーなんてどっちに転んでも楽しい?
10月は南アフリカ政策金利の発表が11日です。利上げか見送りか楽しみです。
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南アフリカ8月の貿易収支
8月の貿易収支は91億ランド(約1500億円)の赤字となりました。前回の94億ランドよりは若干ですが改善しています。しかし、予想は53億ランドの赤字でしたのでそれに比べるとまだ悪い感じではあります。今回の貿易収支の内容としては輸出が0.8%増えたのに対して輸入は0.1%の上昇となりました。
ランドはちょっと強くなってますかね。市場もきまぐれです。
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南アフリカ8月の生産者物価指数
8月の南アフリカの生産者物価指数が発表になり9.4%になりました。市場予想の9.7%より良い結果となっています。先月が10.3%だった事を考えると割とよくなっていると市場でも驚きをもって捉えられているようですが、昨日の消費者物価指数のほうがやはり重要だとの事でランドはそれほど動いていません。
債権市場の方ではPPIの発表の後、R153という6年物の代表的な債権が昨日の9.135%から9.015%への下がりまして、利上げ観測が若干後退した感じではあります。さて、次回の金利引き上げは微妙な感じになってきたかもしれませんね。
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南アフリカ8月の消費者物価指数
南アフリカ8月の消費者物価指数をお知らせします。CPIXは予測の6.3%に対して6.3%となりました。予想と同じですね。10月の金利引き上げは難しいところかもしれませんがするんじゃないでしょうか。
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今週の南アフリカ
今週は26日水曜日に南アフリカの消費者物価指数が発表になり、27日木曜日は生産者物価指数(PPI)、28日は貿易収支の発表と重要指数目白押しです。次回の政策金利決定会合が10月11日の予定ですので、今週の指数発表は政策金利に大きな影響を持つものです。まず、消費者物価指数(CPIX)は今回もターゲットの6%以下にはならないと予測されています。なかでも食品と燃料価格が高く、原油価格高騰を考慮すると大きく下がる可能性は低いと思われます。
生産者物価指数(PPI)の方は最近金利引き上げの効果が出てきている様子が伺えますので少し下がるのではないかと予測されています。ただ、こちらも国際的な燃料価格の上昇が響いておりまして、9%を超えるレベルになると予測されています。
ランドはドル弱体に支えられて1ドル6ランド台で強く推移すると市場では見る向きが多いそうで、もし消費者物価指数が6%を下回らないにしてもまずまずの結果となった場合はランド高が進む可能性があります。消費者物価指数の結果に大きく左右されそうですが、ランドは強めな感じかもしれませんね。ドル円もキャリートレードがだいぶ戻ってきたようですので、円が高くなる要素は少ないかもしれません。
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ランドのヘッジ方法
今日はちょっと難しいかもしれませんが、かなり良い話だと個人的には思いますのでがんばって理解してみてください。内容はランド円のヘッジ方法についてです。
ランド円を購入された皆様や購入を検討されている方々は、値動きの荒さに悩んでらっしゃると思います。つい先日もその辺りについてコメントで質問を頂きました。値動きが荒いのでいつ強制決済されるか分からず夜も眠れないとのお話でした(これは冗談です)。この記事を読めば、ゆっくり寝れてかつランドの最大の魅力である高金利も取れるような状況になります。
答えから先に述べますと香港ドルを一緒に買うことで、値動きの荒さ(ボラタリティーと言います)を減らします。有名な分散投資の理論です。(これで分かった方はこの先読む必要ありません)
まず、香港ドルの説明から始めます。香港ドルは2006年10月現在、1香港ドル=15円ぐらいです。ほぼ、ランド円と同じぐらいの単価です。利率は低く、スワップは1香港ドル円あたり12円ぐらいです。ランド円が33円ぐらいですので、ランド買ってた方がはるかにいいですね。この香港ドルの特徴は、米ドルとペッグ制を取っていることです。ペッグ制とは連動制の事を指し、米ドルとほぼ固定レート制になっています。現在の1USドルは7.8香港ドルで固定です。従って、USドル円の動きはそのまま香港ドル円と連動します。
下は香港ドル円のチャートです。

次はUSドル円のチャートです。

当然ですが単位が違うだけで同じ動きですよね。
さて、この香港ドル円をランド円と一緒に買うと何がいいのでしょうか?
ランドという通貨は基本的にエマージング通貨です。USドルはその対極にいるメジャー通過です。つまり、ランドが売られている時はUSドルが買われることが多いです。従って、ランド円が安くなる時は香港ドルが高くなり、ランド円が高くなる時は香港ドルが安くなりやすいです。こうなると、両方の損益を合わせるとボラタリティーが小さくなります。
つまり、ランド円が下がっても、香港ドル円が上がってる可能性が高いので両者を足し合わせると損幅が小さくなり、強制決済の憂き目にあう可能性が小さくなります。一方で、スワップも平均すると下がるのですが、それは後で検討します。
概念としてはなんとなく理解いただけたでしょうか?
もう少し具体的にチャートを使って1つ1つ見ていきましょう。
まずは、ランド円のチャート。

これを先ほどの香港ドル円のグラフと比較するとなんとなく上下対象でしょう?今、これを1:1の割合で買います。つまり、ランドを1万ランド買い、香港ドルを1万香港ドル買います。これを平均すると下のチャートの推移になります。チャートの赤い線が平均値です(緑がランド円、青が香港ドル円)。

だいたい、13円から17円ぐらいで一定ですね。2004年ぐらいの最高値で買ってしまっても17円50銭ぐらいです。これが、2002年の過去最安値の13円まで下がってもわずか4円しかさがりません。率にして30%弱の下落でしょう。過去最高から過去最低まで落ちたとしてもかなり余裕があります。
もしランド円単独ですと、2004年の最高値20円が2001年の最安値の9円50銭ぐらいまで下がると50%以上の下落になってしまいます。更に言うと、上のチャートではデータが出てませんが、1998年当時はランドは史上最高値を付けていて33円ぐらいです。これが9円50銭になると、70%弱の下落でかなり痛い目にあいます。レバレッジかけない状態でも強制決済が近くなりますので怖いです。ついでに、1998年当時に香港ドルも一緒に買っていれば平均単価は28円ぐらいで、2002年の最安値の13円まで下がっても50%強の下落です。両方の通貨を買って平均しておいた方がだいぶ楽ですね。
今度はランドが過去最低の10円になった時の2002年を見てみましょう。この年はITバブルがはじけて世界的な不況に陥った年です。日経平均が8000円になり、ナスダックも暴落しました。当然、エマージング通貨は売られますし、世界のマネーは最も安全な通貨であるUSドルを買います。従って、USドルが高くなり135円まで買われていて、これに連動する香港ドルも17円台まで高くなってます。ランドだけだと10円まで下落してますが、この2つの通貨を買ってますと平均すると13.5円で下落幅が小さいですよね。2007年10月現在は両方とも15円前後ですので、平均も15円ぐらいで購入できます。両通貨を買って最安値をたたいても13円ぐらいなら最悪ケースでもたいした下落じゃないですよね。わずか10%強の下落です。
さて、ここまでの議論で両方とも買っておいた方が強制決済されにくくなることは分かられたと思います。しかし、勘の良い人は”おいおいおい、ちょっと待った。スワップも平均されちゃうじゃないの、それじゃランド買う意味なんて無いよ”と思われるでしょう。おっしゃる通りです。2006年10月現在のスワップだとランド32円、香港ドル12円(セントラル短資)ですので、平均すると22円ぐらいまで下がってしまいます。
うーん、豪ドルでも買った方がいいんじゃないのー?なんて思う方がいらっしゃると思います。こっからが面白いんでもうちょい我慢して付き合ってください。
今、皆様は30万円持ってるとしましょう。1万豪ドル買いたいと思っています。1豪ドルは90円ぐらいですので、90万円分の買いとなり3倍ぐらいのレバレッジです。ここで、ランド円と香港ドルの出番です。ランド円と香港ドルを2:1の割合で90万円分買います。2:1にする理由はスワップを少しでも多くもらいつつ、ボラタリティーを小さくするためです。3:1でも構いませんがまーその辺は皆様の計算力と予算にお任せします。チャートを示しましょう。

ランド円と香港ドル円を2:1の割合で購入するとした場合、90万円分だと4万ランドと2万香港ドルです。この場合、スワップは33X4+13X2=158円。1万豪ドルのスワップが138円ですので、ランド円と香港ドル円の組み合わせを買う方がいいですね。NZドルのスワップも151円ですので、この点でもランド円と香港ドルの組み合わせの方が得です。
先程、ランド円と香港ドル円の組み合わせだと10%強ぐらいの下落で済むのではないかと試算しましたが、豪ドルで10%強の下落ですと2006年10月現在90円とすると80円前後。NZドルは今80円ですから、72円ぐらいです。ちなみに豪ドルの最安値は2001年の57円ぐらい、NZドルの最安値も2001年の43円ぐらいです。豪ドルとNZドルの10%下落は十分ありえますね。特にNZドルはいつ落ちてもおかしくありません。比較すると、ランド円と香港ドル円の組み合わせの方が下値は限られますのでリスクは少ないわけです。
というわけで、今90万円ロングするんであれば、豪ドル、NZドルよりもランド円と香港ドルの組み合わせを買ったほうがボラタリティーの面でも金利の面でも有利であることが分かりました。つまり、ランド円を買うときに香港ドル円を買うとリスクのヘッジが大幅にでき、かつ高い金利を得ることができるわけです。
へーって思う方も多いと思いますが、今まで説明してきたことは実は経済学で数学的にも証明されています。詳しくはその手の本を読まれると詳しいです(土方薫の文系人間のための金融工学の本
今回、90万円を購入するために4万ランドと2万香港ドルを一度に買うことにしましたが、これを分けて買うと更にボラタリティーが抑えられます。今回、私が有効だなと思った理由はランド円と香港ドル円が非常に安いからで我々のような庶民でもこの手段が使いやすいことによります。動きが同じ通貨の組み合わせはダメです。例えば、豪ドルとNZドルを一緒に買ってもまったくボラタリティーは減りませんので意味がありません。NZドル円と香港ドル円の組み合わせも考えれますが、スワップは更に小さくなります。
こういった事はヘッジファンドでは当然のように行われているはずです。我々でも、ヘッジファンドの端くれみたいな事がランドだと単価が安いんで簡単にできます。ヘッジファンドはどうするかというとボラタリティーを抑えることができるわけですから、更に大きなレバレッジをかけることができますので大きなレバレッジをかけて大きな金額を動かすわけです。
香港ドル円によるヘッジのメリットをまとめますと。
1.値動きの荒さを抑えることができる
2.他の高金利通貨に比べても高い金利を狙える
3.安い単価でできるのでお金の無い私のような庶民でも手が出やすい
いい事尽くめに聞こえますね。更に、香港当局はこのペッグ制を維持することを発表しています。色々と無理もあるようですが、確かにペッグ制を無くすことは事実上無理なようです。香港ドルのペッグ制が崩壊する可能性はかなり小さいです。なんとリスクヘッジに都合のよい通貨でしょうか。とは言うものの、ペッグ制を本当に維持できるかは若干の疑問です。しかし、ペッグ制をやめるにしても段階を踏むでしょうから当面は心配いらないとは思います。
これにドルコスト平均法を加えて、長期保有が可能でしたらそう簡単には負けないでしょう。10%下落しても1年持ってれば金利が高いのでかなりカバーできます。ワールドカップまで持ってるのでしたら、ランドが半分ぐらいになっても完本割れはしないかもしれません。10年ぐらいは持ってもいい?元本が倍になる可能性はかなりあります。レバレッジもかけた?夢は広がりますね。ただし、あまり無茶しないでください。現実的な計算とは思いますが、為替の世界は何が起こるかわかりませんし、香港も南アフリカも所詮発展途上国の域をでません。
このブログには香港ドル円を買えない業者において、ランド円の取引をされている方も多いかと思います。その場合はどうするかと?簡単です。セントラル短資オンライントレード
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前回のランド円のヘッジ方法は、反響が大きく正直怖いぐらいです。改めて、このブログを色々な方に読んで頂いているのを実感し、嬉しいような怖いような…。特に怖いのが、大きな額を使っている方々。できれば、時間的にも分散してください。じゃないと、いいヘッジになりませんので…。
(後でうまくいかなかったって怒らないでくださいね…何も保障してませんので…)
前回のヘッジ方法に関しては認識しておいて頂いた方がよいと思われることがあります。
それは前回のヘッジ方法は必ずしもベストの提案をしているわけではありません。
皆様にご理解いただきたいのはヘッジのやり方の部分で、動きが違う通貨を組み合わせてリスクを減らす事ができるよっていう点です。
従いまして、香港ドルによるヘッジは例に過ぎませんし、2:1っていう割合もそれがベストかどうかは各個人で違いますのでその点はご承知おきください。
コメントでもご指摘いただいていたりするのですが、他にもドルスイスとランド円のペアなんてのが考えられます(るみっ☆彡さんです!感謝!)。こちらの方が証拠金が多く必要と思われますが、実はドルスイスのペアの方がスワップとしては若干有利かもしれません。もう少し言うと、香港ドルと同じ動きをするドル円の方が更にスワップとしては有利かもしれませんね。ただし、リスクの観点から言うと香港ドル円を使ったほうが、単位が小さいので時間的に分散して買えるためリスクを少なくできると思われます。
その他のリスクヘッジの仕方もきっと多くあると思われます。香港ドル円を1万買うよりはドル円を1000通貨で買ったらいいのではないかというのをオペラの怪人さんからも頂いています。おっしゃるとおりですが、別口座になるようですのでバーチャルとなりますからヘッジと考えるかどうかですね。個人的には同一口座でのヘッジでないと強制決済の回避にはなりませんので、同一口座でのヘッジをおススメします。その他にもこんな方法があるよっていうのはどんどんコメントして頂けると皆様ハッピーになれますので、皆様のコメントお待ちしています。
さて、るみっ☆彡さんのドルスイスのペアでのヘッジですが、結構面白そうだったのでやってみました。
ドルスイスは基本的にスイスフランを売ってUSドルを買う取引です。スイスフランも金に連動する傾向がありますので、これは金を売ってドルを買うという関係とも取れます。一方でランド円を買うというのは金を買っているという取引とも取れますので、逆の関係があるのでヘッジになりそうだという仮説が成り立ちます。
(この辺りはsaru999さんのコメントでZAR(≒GOLD)とHKD(≒USD)で、金とドルが反対の動きをする傾向があるという話と同じです。)
この逆の関係(片方が上がったらもう片方が下がる)が成り立って、なおかつ金利が貰えると言うのがヘッジに関しては重要な条件です。
さて、この逆の関係がどの程度あるのっていうのを数字で表せると逆関係が強いか弱いかが分かりやすくていいですよね。
あるんですこれが。統計の用語で相関係数と言います。
統計と聞くと読むのをやめてしまうかもしれませんが、難しいことは全部すっとばして最低限知っておかないと使えないって所だけ書きますので、ここでめげずに読んでみてください。
この相関係数ですが、ある数字のグループともう1つの数字のグループがどういう関係があるかを、-1から+1までで表します。-1に近ければ近いほど逆の関係が成り立ちます。つまり、片方のグループが上がるともう片方のグループが下がる関係です。反対に+1に近づくと同じように動く関係となります。ヘッジをしたい我々としては-1に近い方がいいわけです。
今回は題材のドルスイスの2001年から2006年までの毎日の値動きを1つのデータのグループとしましょう。
ランド円の毎日の値段をもう1つのグループとします。
理論を使って数学的に計算すると面倒くさい数式を使ってだすのですが、EXCELでCORREL関数と言うのを使うと一発でこの数字が出せますので、そのやり方を説明しましょう。下がEXCELのCORREL関数の使い方です。
CORREL(配列 1,配列 2)
ここで、配列1と配列2がそれぞれドルスイスとランド円の毎日の値動きです。ちなみに、毎日の各通貨の値動きは下のサイトで手に入ります。
OANDA.com 社
http://www.oanda.com/convert/fxhistory
上記サイトから好きな通貨の値をコピーしてきて、EXCELに貼り付けてからCORREL関数を使いますと相関係数が得られます。
という訳で、ドルスイスとランド円の相関係数をEXCELで計算してみました。
ドルスイス-ランド円 : -0.73
香港ドル円-ランド円 : -0.67
ドルスイス-ランド円のペアの方が逆の相関関係(負の相関と言います)が若干強いですが大きな差はありません。
実際にグラフにすると次のチャートになります。

次に、前回もお見せしました香港ドル-ランド円のチャートです。

おー、面白いですね。上と下のチャートの区別がつかないぐらい…(saru999さんよりご指摘頂きましたが、あまり似てないという話もあります。ドルスイは右肩下がりで、これはユーロの地位向上によるのではないかとのご意見です。素晴らしいご指摘だと感心しました。詳細はコメントをご覧下さい)。相関係数が近い訳です。という訳で、どちらのペアでもヘッジはできます。
となると、次はスワップがどうかという点が気になりますね。スワップは各国の金利差ですから、ドルスイだと米国とスイスの金利差で決まります。米国は2006年10月現在5.25%、スイスの金利は1.75%ですので、金利差は3.5%となります。
香港ドルの金利は基本的に米ドルと連動しますが、やや米ドルより低い感じです。日本の金利は0.25%ですので、スワップ面では恐らくドルスイの方が若干有利でしょう。(今後どうなるかは分かりませんが、それは香港ドルによるヘッジも同じです)
ただし、ドルスイは1万通貨単位で買わないといけなく(セントラル短資の場合)、100万円前後のお金を動かしますのでそれに対する証拠金が必要ですね。香港ドル円ですと十分の一で出来ますので、回数を分けて購入し値動きを吸収すると言うヘッジがしやすいという利点があります。その分、リスクヘッジが有利になります。
ここをどう見るかが、ドルスイでヘッジするか香港ドルでヘッジするかの違いになりますね。
というわけで、今回は相関係数の使い方とリスクヘッジに関するお勉強でした。是非、色々と試してみて当ブログにご報告下さい。ランドがらみじゃなくてもいいですよ。ちなみに、上で計算したドルスイス-ランド円の-0.73と言う数字はかなり強い負の相関です。こんなのが一杯あるといいですよね。
ちょっと、分かりにくかったでしょうか?
また、前回お話しましたリスクヘッジに関する本ですが、土方薫の文系人間のための金融工学の本
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ユーロドルとドルランドによるヘッジ
前回のドルの弱体の記事でランドとユーロの連動についてちょっとだけお話した所、早速鋭い読者の方からランドってユーロに連動するんですかというコメントを頂きました(ランケンの読者って凄いなーって思う瞬間ですね。余り隙が無いんで書く方も大変です…)。そう言えば、知ってるけど検証してなかったなと言う事で久々に大人気のランドのヘッジ記事を書きます。今回はタイムリーなユーロがらみです。南アフリカは元々イギリスの植民地であり、地理的にもアフリカ大陸全体はヨーロッパとの関連が深いためヨーロッパの影響をかなり受けます。従って、経済を反映する為替も連動する傾向があります。下にユーロドルとドルランドのグラフを載せます(過去6年間)。

グラフ:ユーロドルとドルランド
やっぱり上下対象になってますよね。相関係数は-0.65です(相関係数については過去記事で”相関係数とドルスイスによるヘッジ”を参照下さい)。香港ドル、USドルとランド円の相関とほぼ同じ位の相関関係がある事になります。かなり大きな相関があると言って良いでしょう。
この理由ですが、南アフリカ経済がヨーロッパ経済に影響を受けると言う事は、ドルを基本として考えたらユーロもランドも同じような方向性を持つ事を意味しますのである意味当然です。
この事を理解するためにユーロドルとドルランドでは基軸通貨がユーロかドルか分かりにくいので、ここは考察を進めるためにドルから見たユーロとランドを考えてみましょう。つまり、ユーロドルではなくドルユーロにしてグラフをひっくり返しちゃいます。すると、ドルユーロ(ユーロドルではなく)とドルランドのグラフが下のように書けます。

グラフ:ドルユーロとドルランド
こっちの方が上のグラフよりも相関関係があるのが直感的に分かりやすいですかね。という訳で、ユーロドルとドルランドには負の相関がありますので、ユーロドルとドルランドをショートすればお互いにヘッジになりそうです。
ここで気をつけるべきはロングしちゃうとダメなところですね。南アフリカは当面高金利通貨ですからランドの買いになるようにする必要があります。従って、ドルランドはショートで決まり、そうするとユーロドルもショートしないといけません。ショートすると両方からスワップをもらえます。
ヨーロッパの金利とアメリカの金利は2007年9月現在ユーロが4%でアメリカが4.75%となっています。今のところアメリカの方が金利が高いのでユーロドルのショートはスワップがプラスです。ドルランドのショートは南アフリカの金利が10%ですので当然プラスになっていて良いですね。
私がこの方法がいいなと思う点は以下の点でしょうか。
1.円に関係のないヘッジなので、最近時々起こるキャリートレードの巻き戻しによる為替相場の乱高下の影響を受けにくい
2.ユーロドルとドルランドの両方から金利がもらえる。
特に1は結構重要かもしれません。というのは、我々は現在の日本の低金利を利用してFXやってる側面が強くあります。以前お話したドル円とランド円によるヘッジにしても両方とも円売りですので、円高には弱くなります。ところが、ここで今回ご紹介したヘッジを導入すれば円売りに対するヘッジにもなるのでヘッジの二段重ねです(なんか凄いな…)。
逆に悪い点として、今後ユーロの金利が上がってドルの金利が下がり金利が逆転するとEUR-USDからはマイナスのスワップが付く点です。ただ、これはドルランド(USD-ZAR)の金利差が開く事も意味しますのでドルランド(USD-ZAR)を少し強めに持っておけばむしろスワップは高くなると思います。また、EUR-USDの金利が逆転するにしてもそれほど金利差が開くとは当面思えませんのでしばらくは大丈夫でしょう。
長期的にユーロが強くなるとするならば、ドルランド(USD-ZAR)のショートを強めに持っておいたほうが、ドル売りユーロ買いと同じ意味になりますので金利面からも為替差益の面からも正しい戦略だとは思います。個人的には昨日も記事にした中東オイルマネーのドル離れもあり得ますので、ユーロの基軸通貨としての存在感が出てくれば来るほど長期的にユーロは強くなるとは思います(短期的には分かりませんよ、結構ユーロ高いのではって話もありますので)。
後はドルランドを扱っているFX会社が少ないのが悩ましい所ですが、ヒロセ通商のHirose-FX2
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歴史的な週
今週はカナダドルがUSドルよりも高くなったり、ユーロドルが1.4となったり、金(GOLD)の価格が1オンス$730を超えてカナダドルにしてもユーロにしても金にしても背景にある理由はどうやら同じようです。それはドルの弱体化です。FRBがFF金利の誘導目標を0.5%下げた事により大きく下落し、これによりドルは対ユーロ、対ゴールド、挙句の果てには対カナダドルにまで売られてしまうという異常事態です。
中でも不安を助長しているのがサウジアラビアのドルペッグ制の放棄への懸念です。元々、サウジアラビアなど中東各国は為替レートをドルに固定していました。要は昔の日本みたいに1ドル360円に固定していた状態です。為替レートを固定している場合、サウジアラビアの金利もドルの金利と連動しないといけない事になるのですが、サウジアラビアは今回のドル金利引き下げに伴うサウジアラビア金利引き下げを行いませんでした。
これが何を意味するかというとサウジアラビアはドルベッグ制を放棄することに繋がります。サウジアラビアが金利引き下げをしない理由としては現在原油価格高騰で経済過熱気味のサウジアラビアとしてはインフレの懸念が出ています。そこへ持ってきて金利引き下げをしてはインフレ抑制ができなくなってしまいます。
これはオイルマネーで成り立つ中東の多くの国に共通の事でサウジアラビアだけでなく他の中東各国も同様の動きをする可能性があります。そうなると中東各国は大量のドルで資産を築いていますがこれも売られるのではないか、もっと言えばドル暴落に繋がるのではないかと懸念が広がっているわけです。
ただ、中東各国もドルで資産を持っていますし、市場としてもドル暴落は資産下落になる訳で一斉にドル売りに傾く事はないと思われますが、現在の世界情勢はドルから離れていく方向に力が働くのは長期的に見て可能性が高いと考えられます。
アメリカの怖い所はその経常赤字の大きさですが、それが暴落につながると言う話は今までも多く出ていましたが現実になる可能性が出てきたかもしれません。ドルはまだ世界の基軸通貨であるのは間違いなく、影響力はまだまだ大きいのですが段々と弱くなってくるかもしれませんね。ユーロを買っておくのが賢明かなー。ランドもいいポジションですね、ユーロに近い通貨ですしわりと連動しますので。
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saru999さんがコメントでその他の通貨の相関係数を表にしているブログを見つけてくださいました。
はやぶささんという方のブログです。以前、当ブログにもコメントを出していただいています。
下がそのブログのURLです。
http://hayabu3.blog27.fc2.com/blog-entry-69.html
http://hayabu3.blog27.fc2.com/blog-entry-70.html
これを見る限り、ランドがらみ以外でいいヘッジができそうなのはないかもしれませんね。
特にメジャーどころは負の相関を持たないため厳しそうです。正の相関が高いものをショートにしてひっくり返せばうまくいく可能性はありますかね。ただし、負の相関を持つように出来たとしてもどれだけ値動きの荒さを抑えれるかは次の検討項目です。
比較的ヘッジとしては良さそうなメジャー通貨の組み合わせもありますが、スワップがかなり悪かったりしますんで、あまりやる気になりません。有名なメジャーどころとしてはUSDJPYとEURUSDですが、USDJPYが155円ぐらいでEURUSDが-63円ぐらいですので、両方買って平均すると36円のスワップしかつかないことになります。うーん、保証金たくさんいる割にはランドのスワップ並ですね。値動きは抑えられますが保証金が多いんで、個人的にはあまりメリット感じません。(余りいらっしゃらないと思いますがこのペアでヘッジしている方、ごめんなさい)
前々回のランド円のヘッジ方法のコメントでも頂いているのですが、こうしてみるとランド円ってドル円のヘッジとしてはかなりいい位置づけなのかもしれませんね。
さて、最近のヘッジ系の記事は大反響ですが、私が当ブログの影響を考慮してあまり踏み込んだ記述をしていません。
前回の香港ドルの利用によるヘッジで踏み込みすぎたかと反省しておりまして、やや腰が引けてます。その代わりに、コメントで色々な方に議論していただいておりまして非常に興味深いものになっております。特に、saru999さんがコメントで書かれていることは深い分析と言わざるを得ず、ヘッジの比率からレバレッジに関する考察まで深く考慮していただいております。
あくまでsaru999さんの個人的な分析でして、saru999さんの前提を元に成り立っており、これがベストな取引という訳ではありませんのでその点はご注意下さい。saru999さんも私も責任はもてませんのであくまで参考例という事で皆様も検討ください。前提として好条件のエントリー(買い)を想定していらっしゃいます。このあたりが非常に難しいところです。
saru999さんをはじめ、多くの皆様にコメント頂き感謝しております。
他の皆様にも色々と議論していただける場としてご活用頂けると私としても勉強になりますので嬉しく思います。
皆様のコメントをお待ちしておりますので、よろしくお願いします。(健全じゃないと思われるコメントは即刻削除致しますので素晴らしい議論を展開しましょうね)
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7月の小売成長率鈍化
7月の小売領域における売上高成長率が4.9%に減速しました。この指標は消費者の需要の強さを測る指標として見られるのですが、現在の南アフリカは内需主導型の成長となっているため結構重要な数字です。6月においては7.1%でしたのでかなり数値としては下がっており、やっと金利引き上げの影響が一般消費者にも影響してきたようです。これにより次回の金利引き上げはまた微妙になる可能性があるのですが、本当に金利決定に影響を与えるのは消費者物価指数(CPIX)です。
もちろん、需要が落ちれば物価上昇の圧力も減るのですが、需要だけが価格決定要因ではありません。特に今消費者物価指数に影響を与えているのは燃料だったりします。こちらは、原油価格の影響を受けますので物価が下がるかというとまだ分かりません。
まだ次回の10月の金利に関しては分からないですね。10月なんてもうすぐですね。また金利引き上げするのかな。なんとかインフレを抑えるところまで早いところもっていって欲しいですね。
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今日の南アフリカ市場
ランド円が好調ですね。皆様既にご存知の事かと思いますが、アメリカのFF金利の誘導目標を0.5%下げ4.75%としました。0.5%という数字が予想よりも大きかったこともあり、ドルはユーロに対して史上最安値。ユーロが強くなったためこれに連動してランドも堅調となっています。0.5%の予測がなかったわけではまったくありませんが、0.25%にするだろうという予測も少なからずあったため織り込まれていなかった面もあるようです。今後の予測として市場ではFRBは今回大きく金利を下げたため、次回はそれほど下げないだろうと考えられており、年末には4.5%の金利を予測しています。
ランドの方ですが、現在ドルランドは$1=7Rand前後となっていまして1ドル6ランド台を伺う展開です。また、ドル円も116円となりランド円には好都合な展開となっています。まだ17円台には届きませんが、危機的な状況はだいぶ遠ざかった感じですね。
とは言え、アメリカの景気に不透明さが出てきたのも事実のようです。世界経済全体の調整がどこまで長引くかが気になりますね。まー大きな方向性としてはそんなに変わってないと思うんですけどね。人気ブログランキングに挑戦しています。"南アフリカランド研究所"に多少なりとも価値があると思われた方は押してあげてください。↓

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南アフリカ中央銀行インフレ見通し
南アフリカ中央銀行は今後の南アフリカのインフレについての予測をAnnual Reportで出しました。それによると、インフレが6%以下になるのは来年後半になるとしています。これまでは、来年第二四半期には6%以下になると予測していましたので遅れる事になります。現在、南アフリカの消費者物価指数(CPIX)を悪化させているのは食品と石油です。特に石油価格は高騰しており、1バレル$80となっていて消費者物価指数に大きな影響を与えています。これに関しては外的要因であり、南アフリカがコントロール出来る問題ではないため難しいのですが、南アフリカ中央銀行としてはなんとかCPIXを6%以下に抑えるべく努力をすると述べています。
この、努力をするという言葉に対して市場はタカ派的なニュアンスを感じ取っているようで、更なる金利引き上げをすると予測するエコノミストもいるようです。もちろん、前回のCPIXにここまでの金利引き上げの影響が表れておらず悪かった事も金利引き上げの予測の裏にはあります。
インフレは来年の第一四半期にピークに達し(6.9%と予測されています)それ以降下降し、来年後半には6%を下回ると述べています。現在、10月の利上げの確立は60%となっていまして、この場合10.5%の金利になります。
金利が上がるのは嬉しいのですが、インフレが長期化する見通しはランドにとっては下落要因となります。一方で商品価格上昇はランド上昇要因になりますのでやや悩ましいところですね。
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トヨタ南アフリカとアフリカ市場
先日、南アフリカにおける自動車販売台数はトヨタが1位である旨お伝えしましたが、今回はトヨタ南アフリカに焦点をあてて書きたいと思います。ご存知のように自動車産業におけるトヨタは世界No.1の地位を築いています。その成長は凄いものがあるのですが、アフリカにおいてはケニアと南アフリカに工場を持ちます。ケニアの方は年間1000台の生産で規模が小さいのですが、南アフリカにおいては年間14万7000台の自動車を生産しており、従業員数は約1万人弱の規模を誇ります。三菱自動車(単独)の従業員数が1万2000人ですので、トヨタは南アフリカ1国で三菱自動車並の従業員を抱えている事になります。ちなみに三菱自動車の国内生産台数は75万台(2006年)ですので、生産規模としては五分の一です。
また、トヨタは南アフリカでの生産を1962年に始めているのですが、三菱自動車の設立(三菱重工業からの独立)は1970年だったりしますのでトヨタ南アフリカは日本国内の三菱自動車より歴史があることになります。三菱重工時代があるので単純な比較は無意味かもしれませんが、比較対象として考えれるぐらいってのはすごいと思いませんか?主な生産車両はカローラ、ハイエース、ハイラックスなどとなっています。
南アフリカの自動車市場はどうなっているのでしょうか?2006年の南アフリカにおける自動車販売台数は71万4000台となっています。2005年は61万8000台でしたので、年率15%上昇となっています。2007年は停滞が見込まれていますが、これは金利引き上げの影響で、乗用車部門の販売台数に伸びが見られません。ただ、商用車は旺盛な投資意欲から順調に伸びています。
トヨタは何故1万人もの従業員を抱えて南アフリカの工場を持っているかというと、やはりその市場としての将来性を見ているのでしょう。アフリカ大陸の人口は現在9億人です。その多くは貧困層に属していますが、最も人口が増えている地域でもあります。国連によると現在年率2%の人口増で2020年には12億人、2030年に15億人、2050年には20億人となります。もはや訳が分からない数字ですが、私が死ぬ頃(2050年以降の予定)にはアフリカで日本が7つか8つ増えてる計算ですね。(下表参照)
国連世界人口統計

ちなみに、アジアは現在40億人がおり最大の人口を抱えており、年率0.8%の増加で2050年に55億人になるとされています。アフリカの2%と比較すると市場としてはアフリカの方が倍のスピードで増えていきます。え、日本?2006年をピークに減少し、現在1億2000万人の人口は2050年には1億人ちょうどぐらいになります。20%減で2000万人減ってますね…。(どう考えても30年後の年金はあてになりませんかね…。ランド年金かなー…トヨタ年金の方がいい?)
また、ヨーロッパでは既に人口減が始まっており、2000年以降マイナス0.3%で、現在7億の人口が2050年には6億人となります。ヨーロッパの市場も日本と同様に縮小します。アメリカ市場に関しては北米は現在3億3000万人ですが、2050年に4億4000万人となり、南米は現在5億5000万人が2050年に8億人となります。
下にヨーロッパの自動車市場の推移と南アフリカの自動車市場の推移のグラフを載せておきます。明らかにヨーロッパは市場として飽和しており伸びがありません。人口が減りつつあるのですから当然ではあります。一方でアフリカは車に乗っていない人が大部分であり、未開拓の地と言えます。人口はヨーロッパよりも多く、伸び率も大きいわけですからアフリカ進出は当然の戦略と言えます。
ヨーロッパ自動車市場推移

南アフリカ自動車市場推移

そんな訳で、市場として考えたとき絶対数としてはアジア、伸びとしてはアフリカが重要拠点となります。アジアは中国、インド、タイ、インドネシアなど生産拠点は考えやすいのですが、アフリカはと言うと南アフリカしか工業国は無く、ここに工場を持つのはある意味必然です。トヨタはケニアでも小規模な工場を持っていますが、これはケニアの人口(3400万人)が多く比較的工業化しているからでしょう。生産量は年産1000台ですのでまだまだ本格的な生産とは言えません。将来に向けての布石が伺われます。
市場としてのポテンシャルは非常に高いのですが、最も先進国である南アフリカですら苦労が多いようです。アパルトヘイト時代に教育を受けれなかった層はスキルの問題もありスキルを付けても離職率が高く、日本のようには全くいかないそうです。また、エイズの問題も大きいようで、トヨタ南アフリカは1万人もの従業員があるため組合があり賃金カットやレイオフができないそうですが、年間数百人がエイズでいなくなり自然減が期待できてしまうそうです(怖い…)。
アフリカの成長にとって最大の問題であるこのエイズはトヨタでももはや手が付けられない状況のようで、下手な教育は差別に繋がりかねない所まで来ているそうです。エイズの人の多くは先住民系の黒人だそうですが、教育レベルが低く問題の大きさの認識すら出来ていないという悲しいことになっています。
市場としての成長の一方で、悩ましいのがエネルギー問題と地球環境問題です。今後、アフリカなどで車が普及しだしたら地球は本当に維持できなくなる可能性があります。トヨタなど各自動車メーカーは燃費が良くかつ環境に優しい自動車を作っていく必要があり、それがトヨタの1リットルカーなどの小型車戦略であり、ハイブリッドなどです。Vits、プリウスなどはそんな背景を元に開発されています。既に危機レベルは高く、今後トヨタなど自動車メーカーの成長のためには地球環境問題は避けて通れない問題となっています。
ランド年金とかトヨタ年金以前の問題があるかもしれませんね。
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ワールドカップまで1000日!
ワールドカップ南アフリカ大会開催まで今日9月15日で残り1000日となりました。ワールドカップ開催を前に大会実行委員長(訳が正しいかどうか知りませんが要するに大会責任者と思われます)のDanny Jordaanはスケジュールも予算も予定通りで成功する自信があるとのコメントを出しています。また、ドイツのベッケンバウアーも同様に南アフリカでのワールドカップ成功を確信していると述べています。なぜ、ベッケンバウアーが出てきたかはよく分かりませんが、前回ドイツ大会の実行委員長だったためなようです。
今回のワールドカップでは15000人のボランティアが活躍することになっているそうで、特に若者に参加を呼びかけています。面白いところとしてはアメリカのFBIがヨハネスブルグ市警と南アフリカ警察に対してテロリストのマネーロンダリングに関するトレーニングを行っています。テロリストもワールドカップでお金がらみの動きをするんですね。しかし、FBIのトレーニングが武器に関する事じゃなくてお金がらみってのがおかしい。南アフリカ警察に武力に関するトレーニングってのは確かになさそうですね。逆にトレーニングする側になりそう。
まだ、先は長いと言えば長いのですがさすがにワールドカップですよね。1000日もかけてまだ準備するなんて。そういえば最近は南アフリカ大会を危ぶむ声が少なくなったような気がしますね。うーん、待ち遠しい!
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南アフリカ経常収支改善
南アフリカの第二四半期の経常収支は1252億ランドとなり予測の1260億ランドに比べて若干良い結果となりました。先月は1310億ランドでしたので改善しています。これは輸出が好調だったことが主な理由であり、中国やインドへの輸出状況の影響をうけていると南アフリカ中央銀行は発表しています。ただ、今後3年間はワールドカップのためのインフラ整備をするための需要により大型機械や設備の輸入も多く赤字額は大きくは減らないだろうと述べています。ここは、南ア政府が既に何十億ドルものインフラプログラムの予算を付けているので減らないでしょうね。
エコノミストによると今回の赤字額は概ね予想通りとしており、重要な事はこの赤字が投資流入により問題なくファイナンスできている点だとしています。
さて、金利の方ですが最近は来月も再度利上げをするのではないかとの観測も多くあります。消費者物価指数が相変わらず政府ターゲットの6%を超えており、10月10日、11日に行われる政策金利決定会合で再度0.5%の金利引き上げとなる可能性が徐々に高まっています。
ドルランドはそれほど弱含んでなくむしろやや高くなっているのですが、最近は円高でランド円もイマイチですね。円が安くなれば、更なる金利引き上げはありがたい所ですが、これは南アフリカとはある意味関係ない世界ですのでやむなしですかね。
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南アフリカ8月のSACOB景況感指数
ちょっと遅くなりまして申し訳ありませんが、今月のSACOB景況感指数をお知らせいたします。今年に入ってから下落傾向だったこの景況感指数ですが、今月発表の8月分も更に下落しており、98.1ポイントとなっています。先月の99.6ポイントから1.5ポイントの下落です。この1.5ポイントの下落はかなり大きいとSACOBでは発表していまして、13の指数の内10が悪化しています。残り3つの内ポジティブとなったのは輸入と自動車販売の2つだけとなっています。しかも、自動車販売は先日のNAAMSAの発表では減少傾向でしたので、SACOB上は先月と比べて若干よくなっただけで決してよい状況ではないでしょう。
SACOBのコメントの中身を見ますと、今回の下落は世界経済の調整によるものと説明しています。特に、今までの不均衡(サブプライムローンなどの不健全な投資)が逆流したのが大きな原因であり、それにより先行きの不透明さが影響していると述べています。
SACOBは結論としてグローバル市場の修正によるファイナンシャルフロー及び為替レートの調整はビジネスのムードを押し下げるだろうとと予測していて、政治経済の問題に関する事項も景況感指数にはマイナスに働くだろうとしています。
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商品価格急騰中
先週は米国の雇用統計に絡んだドルの下落がありましたが、金価格の方は大幅に上昇し1オンス$700を超えました。先週末時点でのドル価格はちょうど$700前後となっていまして、一時は$705まで進みました。ランドにとっては追い風でランド上昇も期待したい所ですが、市場全体のムードとして安全資産への移行が起きているようで米国債権などは高くなっています。安全資産への退避は新興国通貨からの退避も意味しますので、ランドは弱含んでいると言うのが現状です。また、ドル円もリスクを伴ったキャリートレードからの撤退という事でドルが売られており、円高の流れとなっていますのでランド円としては余り上昇は期待しにく展開です。
原油価格の方は史上最高値に近づいており、現在1バレル$77近辺となっています。市場では現在のところ最高値を$78を越えるかどうかに注目しています。短期的にはハリケーンシーズンを目前にして石油関連施設への影響が心配されており下落しにくい状況となっています。
先進国はOPEC(石油輸出国機構)に対して増産を呼びかけていますが、OPEC側はこの要請に応じない方向のようで、この面でも原油価格は高止まりする観測が高まっています。ただ、サウジアラビアでは世界経済に悪い影響を与える事を懸念しているようで、増産を全く考慮していない訳では無さそうです。他のOPECメンバーは余り乗り気でないようですので悩ましいところでしょう。このため、需給はかなりタイトとなっており、原油価格値上がりとなっています。凄いですね…。本当に$100を目指すんだろうか。
今週のランドはどうなるんでしょうね。ドル円が気がかりかなー。
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航空産業
南アフリカはかつて飛行機を作っていました。しかも単純に組み立てるだけではなく航空機を設計して製造するほどの能力を持っており、最盛期にはSAAF(South African Air Force)などにヘリコプターを納入していました。残念ながら商業的にはうまくいかなかったものの、技術的にはヘリコプターや航空機を単独で作るだけのものを持っていたため、今でも部品の供給ができるだけの技術力はあります。国立のDenelという会社と民間のAerosudという会社の2社が主なものであり、両社ともヨーロッパ航空機メーカーのエアバス(Airbus)のA400Mプログラムのパートナーとなっています。
このA400Mというのは軍事輸送機で2009年からの飛行を目指してプロジェクトが動いています。現在、EU諸国を中心に192機が確定オーダーとなっており388機がオーダーされる予定となっている世界の航空業界でも最も重要な機体の1つとされています。Airbusでは2025年までに400機を予定しています。
この機体の開発に対してDenel社は機体中央上部の製造に携わっています。契約は15年間で2000万ユーロ(約32億円)となっており、製造前の設計段階からDenel社が行ってきたもので非常に重要な部品です。材料はアルミニウムで加工が難しいとされているそうで、Denel社CEOは南アフリカと同社を誇りに思うと述べています。このAirbusのA400Mプラグラムへの参加は今後30年間から50年間にわたるエンジニアリングサービス、製造サービス、カスタマーサービスの提供を意味しますので非常に大きな商談ですから南アフリカ国内の位置づけとしても大きなものです。
Denel社は今後尾翼の構造部分など重要部品の提供も行っていく事になっています。また、もう1社のAerosudの方はコックピットのバルクや調理室などを製造するそうで最重要部品ではない部品の提供となります。今後、南アフリカ全てのA400Mへの契約額は今後20年間で60億ランド(約1000億円)に上ると見積もられています。製造だけでなく設計から最後のサポートまで契約出来る点が非常に重要だそうでAerosud社もAirbusの直接的なサプライヤー(一次サプライヤー)となる点で光栄なポジションでの仕事と評しています。
A400Mプログラムへのヨーロッパ諸国以外の参加はマレーシアと南アフリカのみとなっていますが、この理由は両国が既にA400Mの購入を決めている点だそうです。このあたり非常に政治的ではありますね。南アフリカ8機、マレーシア4機の注文となっています。このAirbusのA400Mプログラムへの参加を機に南アフリカ政府としても本格的に航空宇宙産業育成に取り組む意向で、3つのイニシアチブは発表しました。
3つのうち1つはサプライヤーパークを作る事でプレトリア郊外に航空関連会社を集積した場所を作る事にしています。この場所に対してEUからもお金が出るそうで2900万ランド(約4億8000万円)の拠出と今後2年間で4000万ランド(約6億4000万円)を約束しています。
2つ目のイニシアチブは、Aerospace Industry Support Initiativeの拡大で既にあるInitiativeを拡大するものです。これはサプライチェーンの改善とサプライヤー開発に主眼とおいたものとなっています。政府はこれに毎年1千万ランド(約1億6000万円)を投入する事にしています。
3番目のイニシアチブはスキル強化を目指しており、National Aerospace Centre of Excellence(NACoE)がEUと協力して大学などへの研究費補助金を積むことです。現在、30の研究に対して補助金が出されています。また、Airbusは南アフリカの科学技術庁と航空技術に関するエンジニアリング、製造、オペレーション、マネジメントを含むスキームを開発していくことになっています。
南アフリカ政府は上記3つのイニシアチブを通じて最終的には輸出の増加を狙っています。現在、南アフリカには前述の2社以外にも200の航空関連の会社がありますが、比較的小規模な会社です。今後、これらを育成していき、南アフリカの航空産業として確立していきたいと考えているようです。
南アフリカはトヨタ、日産、BMW、GM、フォードなどが進出していてアフリカの自動車産業を担うなど基本的に製造業が強い国です。以前もお話しましたが、日本にあるBMWは全部南アフリカ製だったりしますし、航空機を自前で作れるだけの技術力もあるようですのでそこはアフリカ随一の工業国だけの事はあります。
ただ、航空産業は日本もそうですが政治的に要素が大きい産業でもあります。裾野が広い産業ですので確かに規模としてはかなり大きくなるのですが、うまくいくかどうか難しいところもあるでしょう。あまりランドが強くなると製造業には向かい風になるので為替も大きく影響するかもしれませんね。
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今日の南アフリカ市場
アメリカの雇用統計の非農業部門の雇用統計が予想外の結果となったことを受けて景気後退観測が一部で出てきています。このため、利下げ圧力の高まりにつながりドルが売られ、結果として大きく円高になっています。今回の雇用統計はサブプライムローン問題の影響による金融サービス企業の人員削減も影響している模様で、今後更なる人員削減は避けられないとの見方もあります。
さて、南アフリカの市場ですがランドはこの影響から弱含んでおり、現在1ドル7.23ランドと言った所でしょうか。ただ、市場ではまだレンジ内の動きと見ているそうで、余り大きな動きにはならないと考えているようです。
円はキャリートレードの巻き戻しでまた動いていますが、新興国市場から見るとそれほど大きな問題とは見られていないようです。一方で、アメリカの景気後退がサブプライムローン問題によりある程度避けられないものであるならば、ドルは売られることになります。これが新興国市場へどう影響するかが気になります。
個人的にはランドはそんなにムチャクチャな事にはならないと思っているのですが、ドル円の動きはちょっと悪そうだなと思いますね。とは言っても、金利差は厳然とありますので円がもの凄く買われる展開も考えにくいのでサブプライム問題の余震かななんて思ってます。
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今日のランド
今日の午後のヨーロッパ中央銀行の金利決定会合を前にしてランドは小動きになっているようです。現在、ランドは1ドル7.2330ランドとなっていますね。南アフリカ市場ではやはりヨーロッパ中央銀行の発表待ちの状況だそうですが、予測としては金利据え置きの公算が高いです。ただ、金利の発表時にはヨーロッパ中央銀行によるコメントが一緒に出てきますので、市場はこれに注目しています。
ここで、世界経済の動向が述べられるのは間違いないのですが、そのスタンスが気になるところですね。
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8月の新車販売台数減少
今月の新車販売台数は3%減少し、58040台となりました。南アフリカの自動車工業会(NAAMSA:National Association of Automobile Manufacturers)によると、これで5ヶ月連続の減少だそうで、現在の南アフリカ経済のファンダメンタルに従った動きとなっているそうです。内容を見ると新車の自家用車販売台数は一般的に最も金利引き上げの影響を受けやすいセクターでその点では商用車とは違います。商用車(トラックなどが代表的)はより投資的な側面が強いです。その自家用車の販売台数は昨年同月比3.8%減で37719台となりました。
さて、ここで面白い数字を1つ見つけました。南アフリカの自動車販売で1位はトヨタで58040台の内14330台を販売し全体のほぼ25%となっています。2位はフォルクスワーゲンで10047台、3位はGM8238台です。日産が4367台で6位、本田1357台で8位となっています。
また、トヨタの販売台数のうち5000台は8トン以上のバスのようで、約3分の1は商用車です。トヨタってのは凄いですね。確か南アフリカトヨタは従業員が1万人ぐらいいた気がします。今度また調べて記事にしますね。
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南アフリカ8月のPMI
本日発表のありました先月のPurchasing Managers Index(PMI)は過去1年で最も低いレベルの54.3ポイントとなりました。6月分が57.7ポイントでしたので3.4ポイントの下落となっています。この理由はやはりサブプライム問題が大きく影響しており、株価の下落や通貨変動がネガティブ要因となっているためだそうで、月末にかけてだいぶ回復はしています。
PMIを発表をしているInvestecによると最近1年でもっとも低いレベルとは言うものの拡大を意味する50ポイントをまだ超えているため悲観的では全くない状況とのコメントが出ています。また、今後のビジネス状況を占うExpected business conditionsは65.2ポイントと力強い結果になっており、これは更なる成長を示唆しています。
その他の注目すべきポイントとしては、価格指数があります。こちらは79.3ポイントと久しぶりに80ポイントを下回っていますが、消費者物価指数が指し示していたのと同様に物価の観点からはあまり好ましくない結果となっています。
これらの結果を受けてアナリストの間からは既に再来月に10.5%と金利になるのではないかとの声も聞かれるようです。南アフリカのジレンマは続きそうですが、我々はおいしー?!
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ランドと金価格
最近、ランド円は16円前半を推移しておりあまり強くなった実感がわきませんが、ドルランドはサブプライム問題前の水準に近づきつつあります。ドルランドは先週末時点で1ドル7.1ランドまで回復してきており、6ランド台を伺う展開です。ただ、ドル円の方が115円台ですので、ランド円が17円台になるにはまたドル円が120円を超えないと厳しいためちょっと時間がかかりそうですね。さて、サブプライムローン問題を引き金にドルの弱体に拍車がかかっています。これに伴い、金(GOLD)の価格が1オンス$682まで上昇しており、これがランドが強くなっている大きな要因の1つとなっています。先週の経済指標はインフレの減速どころか加速感すらあるような状況でかなり悪い数字だったのですが、金価格上昇によるランド上昇という展開となっています。市場は南アフリカのインフレをあまり気にしてないのでしょうか…。
金価格の方は$676の節目を越えてきており$700を目指す勢いとなっています。ランドも4週ぶりの高値となっていますが、金も5週ぶりの高値でかなり連動している状況です。これがランドの更なる上昇に拍車をかけるかどうかが気になるところではあります。
また、UBS Investmentによると今年から来年にかけてランドは1ドル7.5ランドぐらいを予想していて、南アフリカは現在ランド弱体が必要と考えているそうです。この理由としてはランドが強くなる事による製造業の業績悪化とそれによる雇用ロス、赤字拡大などがあります。南アフリカにとって悩ましいのは国内経済は調子良いもののインフレが政府ターゲットの6%を超える状況にあり、ランドが下落して欲しいにも関わらず商品価格上昇などの外的要因によりランド上昇となっているという矛盾した状況です。これは南アフリカ中央銀行としては金利を引き下げれない状況ですので10%の金利は当面享受できそうではあります。
UBSによるとこの状況がいつまで続くかと言うのは結局アメリカの今後の景気次第と考えているそうで、アメリカ景気が更なる悪化を続けてUSドルが下落を大きくするとランドなどは相対的に強くなり、南アフリカ経済も悪化しかねません。ランドが強くなる事はわれわれとしては望ましいのですが、経済悪化と矛盾していますね。アメリカの経済減速が行き過ぎると世界的な不況なども考えられないことはありません。現在の世界経済を考えるとそれは心配し過ぎで大きな方向としては好調を維持すると思われますが、一時的な(といっても時間的なスパンが分かりませんが)減速はありえます。
この時、ランドなど新興国通貨はやっぱり売られると考えるのが普通だと思いますが、いつになるかはドル弱体と商品価格上昇(すなわちランド上昇)のバランスに影響される事になるかななどと考えます。つまり、ドル弱体による商品価格はランドを押し上げる方向に力を働かせますが、南アフリカ経済と世界経済の減速はランドを押し下げる方向の力が働きますのでこのバランスでランドの値段が決まります。
経済良好でランドが強くなるという方向が望ましいのですが、南アフリカ中央銀行の舵取りはかなり難しい状況にありますね。まーでもランド保有者から見たら世界経済の極端な悪化による新興国通貨暴落は今のところあまり無さそうですし、サブプライムローン問題みたいな数年に1回の事もそうそう起きないとするならしばらくゆっくり持ってて金利もらっててもいいかななーんて結局ほっとこうといういい加減な結論に今週は辿り着いちゃいました(結局サブプライム問題が起きたときに売りそこなったんでしょーがない…)。
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