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ブラジル、南部アフリカの土地でバイオ燃料

ブラジル、南部アフリカの土地でバイオ燃料


今日は少しヨーロッパ落ち着いていますかね。
ポルトガル国債が無事5億ユーロ売れたそうで、少し安心感が出たそうです。
まぁ、今売ってる分はEUが保証する分なので、売れないことはないでしょうね。

単なる修正と見るアナリストが市場では多いそうでユーロドル1.32はまた売り時と言った声もあるそうです。
今週に入ってからですが、ベルギーまで国債が売られています。
PIIGSじゃないはずなんですがねぇ。。。↓
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さて、南アフリカの製造業の指数であるPMIが52.9ポイントと目安の50ポイントを超えてきました。
生産の拡大を示す先行指数ですから、好意的に受け取るアナリストが多いようです。
また、今後も生産拡大の見通しが強いようで、ヨーロッパ状況を考えると雲泥の差です。
ただ、ヨーロッパは南アフリカにとっては最大の貿易地域ですから、南アフリカから見るとヨーロッパの回復は早くしてほしいところでしょう。

他に面白いニュースはブラジルの外務次官が南部アフリカの土地を買うことに興味を示しているとの話が出ていました。
これで、バイオ燃料を作りたいんだそうです。
ブラジルってスゴイ大きな国だった気がするんですが、アフリカの土地まで買うのはやや理解に苦しまなくもないんですが。。。
既にアンゴラとは農業協定が結ばれ、南アフリカでもそういった関係を強化したいとされています。

地図見ると、南部アフリカとブラジルって実は隣?
南アフリカはブラジルからの輸出先第二位、ブラジルは南アフリカからの輸出先第三位となっているそうで、両国の関係は深いです。
IBSAって協定をだいぶ昔にご紹介しましたが、インド・ブラジル・南アフリカの参加国による南南貿易があり、これに期待したいとされています。

世界的には、農業がこれから熱いかもしれませんね。
面白いなぁ。
コモディティだ↓
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OECDの南アフリカ経済への提言

OECDの南アフリカ経済への提言


 先進国クラブの異名のある経済協力開発機構OECDが南アフリカの経済に対する提言をまとめました。
 南アフリカ経済の更なる発展のために、ランド上昇に対して抵抗すべく介入をすべきだとしています。
 その他にも重要な提案や予測をしていますので、紹介します。↓
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 ・南アフリカの経済成長は来年5%になるかもしれない。
 ・生産量を増やすために政策金利を引き下げる事も検討すべきであろう
 ・金利の行き先を指示し、ランドの適切なレベルをより明確にすべきであろう
 ・財政赤字と支出に関してより明確なルールを持ち景気サイクルに対抗すべきであろう
 ・産業界への電気料金補助金をやめ、炭素税を導入すべきであろう
 ・賃金交渉は協力的であるべきであろう
 ・3%から6%のインフレターゲットは維持されるべきであろう
 
 また、OECDのホームページでは、来年までに成長率は現在のトレンドを越えて4%程度になると見込んでいると記されています。(従って、上のリストの5%はかなり楽観的な見方のようです。可能性がなくはないぐらいかな)
 ただし、これはポテンシャル成長率の3%も下であり、3年間はポテンシャルに追いつくのにかかるはずとされています。
 かなり高いポテンシャルであるのは間違いがないのですが、今の状況でポテンシャルに達するのはやや難しい状況でしょう。
 短期的にはリセッションからの脱却が求められるとしています。
 
 OECDは特に失業率の高さが南アフリカの問題と指摘しており、賃金交渉や若年労働者への補助金、年齢毎の最低賃金の導入などが役に立つと指摘しています。
 条件としてはインフレがターゲットレンジ以内に収まる事とされており、6%以下であればよいとの認識です。
 
 ランドに関しては、安定して競争力のある状況が輸出を促進するはずだとしています。
 これに関しては南アフリカの財務省も同じ意見であり、介入も視野に入っている事は間違いありません。
 ただし、実際の介入はほとんどされておらず、今後南アフリカ政府がどう動くかが気になります。 
 
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アフリカ競争力レポートと発展のステージ

アフリカ競争力レポートと発展のステージ

世界銀行から発行されているアフリカ競争力レポートを読んでみました。と言っても350ページもあるので全部はとても読みきれませんが、現在の金融危機がアフリカにどう影響するか、どの国が危機的な状況になる可能性があるかなどがまとめられています。面白かったのが発展のステージという考え方で、まー要するに国民の賃金を上げて豊かになるにはどういう段階にある必要があるかという話です。

まず、世界銀行はアフリカにおいて危機をなんとかやり過ごせる国として、南アフリカ、アルジェリア、ナイジェリア、エジプトを挙げています。これらの国では金融セクターや規制がしっかりしているため、大きな問題にはならないとしています。ただし、当初は世界経済とアフリカ経済はそれほど密接なつながりがないため、ほとんど影響を受けないだろうとされていた点については大幅に修正し、相応の影響を受けるだろうと述べられています。

この影響に関してですが、2000年以降アフリカは年率5.9%の成長を平均して成し遂げてきました。この成長の原動力となってきたのが直接投資であり、世界経済の停滞により直接投資が大幅に減りそうだと言う点が指摘されています。その他のアフリカ成長の懸念事項とされているのは、先進国の保守的な動きによる貿易の停滞、援助資金の大幅な減少、アフリカの政府自身が市場経済の否定をする事による市場を閉ざす事などが挙げられています。

アフリカの競争力向上に関して重要とされている点は金融市場の改善です。やはり、金融市場が機能しないとお金がスムーズに必要な所に届かないとしており、世界銀行はアフリカ各国の当局には金融セクターの適切な規制と市場の維持を求めています。この点は、南アフリカは割と評価が高いんですよね。イギリスの影響でしょう。

また、自由貿易の促進も金融セクターの改善と同様に重要事項として指摘されています。これに関してはやはり保護貿易を避けるべしとされていまして、透明性の強化(なぜ、保護を必要以上にするかなど)が必要とされています。

さて、最初に述べた発展のステージの話ですが、世界銀行では国の発展のステージを3つに分けています。

1.ファクター依存ステージ(政治体制の機能性、インフラの整備、マクロ経済フレームワークの整備、国民の健康と教育による発展)
2.生産性依存ステージ(生産性の高さ、品質、教育のレベル、労働市場の整備、金融市場の洗練などによる発展)
3.革新依存ステージ(発明・発見などを通した発展)

ランケンの解釈は、まずは政治やマクロ経済などにより国民が自由に生活向上をする土台がステージ1で、その上で生産性の向上を図るステージ2、最後のステージ3で独創性でトップクラスの生活を維持すると言った定義ですかね。

日本やアメリカなど先進国がステージ3に属しています。
また、中国はステージ1からステージ2へ上っている段階、インドはステージ1とされています。
南アフリカはステージ2とされており、生産性の向上で豊かさを向上している段階とされています。
中国とインドに関してはちょっと意外ですが、一部の突出した人が世界的に活躍している状況を反映したもののようです。

このステージから見るのであれば、インドあたりの方がインフラ面では伸びる余地がありますかね
世界銀行はアフリカの多くがステージ1にあると指摘していて、インド、パキスタン、フィリピン、ベトナムなど一部を除く23ヶ国、ステージ1の約8割がアフリカとなっています。

日本は革新性がないとやっぱり生きていけないという訳ですね。どうりでしんどいわけだ。このレポートまだ続きがありそうですので、また何かあれば記事にします。

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マラリア撲滅に225億円の予算

マラリア撲滅に225億円の予算

世界で最も重要な開発経済学者とされるジェフリー・サックスによると、発展途上国で開発が遅れている地域の多くが赤道近辺に存在する理由はマラリアとされています。マラリアって蚊に刺されると高熱を出し最悪は死に至る病気で、アフリカ・アジアで毎日2000人もの子供が亡くなり、大人も含めると百万人近くが毎年亡くなっているとされています。

このマラリアを撲滅し、経済発展の阻害を無くそうとして活動しているのが、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏ですが、ゲイツが主催するビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団とおよそ30の政府は2億2500万ドル(約225億円)のマラリア撲滅プログラムを立ち上げました。

現在、マラリアの薬はまったく無いわけではありませんが、問題はコストがかかる点です。マラリアはアフリカやアジアなどの貧困層が薬を最も必要としていますが、貧困層は当然お金がないためなかなか買えないというのが現状です。今回のプログラムは安価で普及しやすい薬の開発に当てられる事になっています。

また、225億円の中ではエイズや結核と言った伝染病撲滅にも使われる予定で、今後2年間の費用とされます。大規模なプログラムとなっていますが、先のゲイツ財団だけでなくクリントン大統領が創設したクリントン財団や世界銀行、ユニセフなどもサポートを行い、マラリア撲滅へ向けての努力がなされます。

マラリア撲滅って大変な意義のある事です。百万人ってだいたい広島市ぐらいですので、毎年広島が消滅するぐらいの人が蚊にさされて亡くなっていて、9割が子供とされています。マラリアに関しては以前ランケンでもまとめましたが、ご興味のある方はどうぞ。マラリア撃退で新興国が少しでも発展するといいですよね。

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オランダ病

オランダ病

今回は開発経済シリーズの中で気になる資源と経済の話になります。オランダ病ってご存知でしょうか?人間の病気ではありません。国の病気で特に資源国が陥りやすい病気です。

資源国は基本的に資源があるわけですから、資源が無い国に比べて本来恵まれていて有利なはずですよね。ところが往々にして発展できていない。日本なんて石炭ぐらいはありますが何もないに等しい。でも、世界トップクラスの先進国な訳です。なぜでしょう?実は為替レートが大きく関係します。

資源がある国は、資源による競争優位性によりその他の産業が発展しない傾向が強いです。資源があると言う状況はある意味で恵まれすぎていて、そこに何も足す必要は無いわけです。そのような国でしんどい製造業をやるのは簡単に言えばワリにあわない。

日本の製造業はというと、普段からの現場改善に始まり業務改革を通って経営革新です(泣)。しかも、よその国が真似したりして陳腐化してしまう。ものすごーくいばらの道です。こんな大変なの資源国では難しいんです。だって、掘れば資源が出てくるし、よその国は掘っても簡単には出てこないんだもの。資源関連産業の方が競争優位ありますよね。

更に重要な事は、資源国はその資源を輸出する事により通貨が強くなります。通貨が強くなっている理由は資源にあり、製造業の実力に沿わない為替レートになります。そうすると製造業などは衰退するという流れが出来ます。製造業の衰退の結果、経済悪化につながるのですが、一度弱くなってしまった産業は競争力の回復がままならず、経済の悪化が構造化してしまうというのがオランダ病です。

オランダ病の名前の由来は、第一次石油危機におけるエネルギー高騰の際にオランダで天然ガスが高騰し、オランダは繁栄しましたが為替レートが資源により強くなり、製造業などの輸出産業にダメージを与え経済が悪化し財政赤字を生んだことによります。オランダでは福祉の充実も図ったがゆえに製造業などは更に弱体し、もはやどうにもならない状況に陥りました。

実際のオランダ病は一度横に置いておいて、資源系のややこしい部分は富が資源を握る一部の人に集中してしまい、その一部の人の富が政治家を決め、政治家はその一部の人を更に裕福にするべく法律を作る、貧しい人には福祉で報いる、従って民主化が進まないという構造になる点が挙げられます。こうなるともう自国では身動きが取れなくなってしまいます。ひどい場合は資源と軍事が引っ付いて軍事政権になるっていう状況が生まれます。

絵にすると下のような状況が生まれます。

エネルギーなど資源価格高騰 

経済好調 

国内の保障制度拡充 

為替レート上昇 

製造業など輸出産業の競争力衰退 

資源価格下落 

経済悪化 

社会的不満の蓄積 

資源の争奪 

独裁政治の台等 

資源の独占を助長する政治

上の図でまずいのが実は国内の保障制度拡充の部分です。これは、該当国の国民は仕事しなくても食べていける状況を作りますので非常に喜びますが、一方で政治の腐敗も招きます。要するにお金が資源のある所に集中するような政治体制が出来ても、国民は保障体制により不満を封じ込められてしまい、いつの間にか経済が衰退していきます。気がついた時には既に遅しというか、そもそも外部環境に影響を受けやすい経済状況になってしまうという状況を生みます。

こういった状況は、特に小さい資源国で発生しやすいそうです。人口が比較的少なく分散していると、国に対する監視機能が十分にされません。特にアフリカのような広大な大地を持つ国においては、富裕層と貧困層の差は非常に大きく、富裕層は武力もお金もありますから、農民が散発的に一揆を起こすぐらいじゃどうしようもなく、武力がある所が資源を占有し、この層が固定化してしまう状況に陥ります。

オランダ病になると国としてお金を稼ぐほぼ唯一の手段が資源だけになってしまいます。すると、力を多少なりとも持つ少数派は全て資源でつながるピラミッドを形成し、既得権益、汚職蔓延、民主主義の崩壊、独裁体制の形成、資本配分の非効率という状況にはまります。こういった状況を罠といいます。もはや、自力では状況の打開ができない状況で、外圧やクーデターなど何らかの大きな力を要しますが、大きな力はなかなかかからないものです。

さて、南アフリカに目を向けてみましょう。南アフリカは資源国です。ただし、南アフリカの鉱山セクターのGDPにおける比率は5.4%で、製造業は14%となっており産業規模としては3倍あります。その意味で産業の多角化はされていて、オランダ病にはなっていないのが現状です。

一方、為替は資源の影響を受けなくもないようなので、製造業に必ずしも都合よく動くとも限りません。この辺は微妙な面もありそうですが、とりあえず資源国が陥りやすい罠にははまらなかったというのは事実でしょう(今のところ)。先日の記事でも書きましたが、このあたりが製造業が南アフリカの将来にクリティカルかどうかの議論の的になります。

製造業はGDPの大きな部分を占めるので重要です。一方で、製造業が生き延びるには為替レートが重要で、製造業に都合よく動いてくれるかどうか分かりませんし、中国などはバスケット制を採用しているため、製造業に有利な為替レートを保持するので競争しても勝てないだろうという議論です。

あまり、資源に偏るのも良くない気がしますし、製造業などが生き延びれるかは確かに難しい面もあると思います。ただ、SASOLのような特別な会社もありますし、建設関連や自動車などの大型の製造はアフリカとしての地の利を活かせると思いますので、一部でもそういう産業はあったほうがいいんじゃないかなと思ったりしますよね。

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マラリアと開発経済3

マラリアと開発経済3

マラリアによる開発経済の最終回です。前回はマラリアの対策などについてでしたが今回は経済への影響の経路と解決に向けた動きについて。

マラリアによるサハラ砂漠以南の経済的損失は大きく、世界銀行のWorld Developent Indicatorsによると毎年120億ドル(約1.2兆円)以上の損失があるとされ、年経済成長率を1.3%下げていると推定されています。寿命の問題もありますが、蚊帳や医者、薬などの余計なコストがかかる事が成長を阻害しています。また、成人も年に数回はマラリアで寝込むそうで、労働日を減らしてしまうというのもあるんだそうです。

また、きわめて重要な側面として、マラリアによる幼児致死率が高い事が挙げられます。これは、平均寿命を短くするだけでなく、子供がマラリアで死亡する事を念頭に親が多くの子供を作るため、子供の増加を招きます。子供は多いがお金は無いので教育は出来ないという状況になり、人的資本の蓄積が困難になります。ケニヤではマラリアにより生徒は年間11日学校を欠席するという調査があるそうです。

その他にも、子供の時にかかったマラリアで脳の損傷が残ったり、妊娠中にマラリアになり未熟児が生まれたりなどがあります。蚊に刺されたなんてほとんど雨が降ってるに近いような日常茶飯事な事で人生が台無しになってしまい、こういったことがアフリカ大陸全土で起きているわけですからなんとも悲惨な話です。

マラリアが経済発展を阻害する他の理由には海外からの直接投資などを減らしてしまう点です。上で述べたようにマラリアには有効な予防が難しく(薬があるので不可能ではありませんが副作用などがあることがあります)、全ての人に平等にふりかかってくる疫病です。従って、海外の会社が工場を作ろうと思っても社員の身が危険であるとやっぱり躊躇しますよね。

鉱山会社世界最大手の1つBHPビリトン社はモザンビークにアルミニウム精錬所を持ちますが、2年間で7,000ものマラリア被害を被ったそうです。その内、13人の従業員が死亡しており、社員の安全確保や病気に対するコストを考慮する必要がある状況では投資が引いてしまいます。

また、旅行客も同様の理由で減るため、観光産業が育ちにくいと指摘されています。確かに蚊に刺されて命のリスクがあると躊躇してしまうのはよく分かります。先日ジンバブエに行ったときもかなり嫌でしたもの。エイズならね、悪い事しなければ心配ないんですけどね。

マラリアはサハラ砂漠以南のアフリカ以外ではかなり減っています。従って、どうしようもない病気ではないのですが、予防接種のワクチンが出来ない限りは蚊帳で蚊にさされないようにすると言った受身な手段しかなく、撲滅の困難な病気である事は間違いありません。一方で、天然痘など撲滅ができた病気も多くあるので医薬の進歩があればアフリカの世界はがらっと変わる可能性があります。

マラリアがアフリカ経済の発展を阻害する大きな要因である事が分かってきており、アフリカに大きな変化をもたらす可能性があることを世界は認識していますので、WHO(世界保健機構)が中心となって「ロールバック・マラリア」という運動を展開しています。ところが財政的な問題があり(先進国がODAなどで出すと約束しているのに出さないためだそうです)、必ずしもうまくいっていません。

ここで、この運動に参加し資金を提供している人がいます。マイクロソフト創始者のビル・ゲイツです。ビル・ゲイツは世界一の資産家として有名ですが既にマイクロソフトを退社して慈善事業を興しています。その資金、10兆円を超えますが、ウォーレンバフェットも300億ドル(約3兆円)を寄付しビル&メリンダ・ゲイツ財団に貢献しています。年間予算8億ドル(約800億円)と、WHO(世界保健機構)の予算に近いそうです(!)。国際機関並の民間慈善団体でもちろん世界一の慈善団体です。

ビル・ゲイツはこの慈善事業を片手間にやるのではなく本気でやる事にしており、マラリアのワクチンを開発してマラリアを撲滅するって宣言しちゃってます。アメリカ合衆国ですらこれ宣言できていないそうです。世界でここまで野心的な宣言出来るのはビル・ゲイツぐらいかもしれませんね。(ちなみに、この宣言はビルゲイツ財団で読めます

最後に南アフリカをもう一度ふり返りましょう。前回述べましたようにマラリアが発生しないぐらい南にあり、南アフリカには幸いにしてマラリアがいません。南アフリカが、アフリカ大陸、特に南部アフリカで唯一成長できた理由は実はそれだけだった…という訳でもないので、また次回。

マラリアの内容の多くは元ハーバード大学教授のJefferey D. Sachsの論文「The Economic Burden of Malaria」からの引用です。英語さえ分かればかなり面白い内容ですので、英語がちょっと苦手な方で英語勉強したいなと思われる方には非常にオススメです。また、有名な著書「貧困の終焉」でもこの論文の多くが記述されています。

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マラリアと開発経済2

マラリアと開発経済2

前回はマラリアが多くの国の発展を阻害してきた事をお話しましたが、今日はその対処についてです。本題に移る前に先週紹介したJeffrey D. Sachsのマラリア地図でカラー版がありましたので差し替えました。下に改めて紹介します。

マラリア分布
Jeffrey D. Sachsのマラリア地図(クリックすると拡大します)

マラリアと経済
経済発展状況(色が薄いところが発展していない国です。上の図と比較してください)

マラリアが赤道付近に非常に多い病気だと言う事がよく分かりますね。また、この地域が世界的に経済発展していないこともよく分かります。昔は日本にもあった病気でオコリと呼ばれていました。坂本竜馬もマラリアだったそうです。ただし、日本のマラリアは比較的弱いものだったため、日本ではほぼなくなりました。

日本や西欧などでマラリアが撲滅できたのに熱帯地域で撲滅できていない理由は気候にあります。マラリアは冬があったり、16℃以下となる季節がある地域では繁殖しない傾向があります。理由は簡単で冬になると蚊がいなくなるからです。逆に言うと、熱帯・亜熱帯は冬が無いので蚊とマラリアにとって最良の気候条件を備えているわけです。

マラリアはワクチンがありませんので有効な予防はできませんが、治療はできる病気ですので適切に処置すれば本来ならばそれほど怖い病気ではありません(と言っても十分怖いんですけどね)。問題は適切に処置すればという点で、そもそも貧困の極みのようなアフリカの地方に医者は少なく薬も補給されません。予防薬は無く、治療も行き届かないでは非常に悩ましいのですが、蚊に刺されなければマラリアに感染する可能性は非常に少なくなります。

この蚊にさされないようにする事をVector Controlと言います。単純に訳すとベクトル制御ってなっちゃって数学の小難しい奴かなとか思いますが、この場合は違います。Vectorって媒介生物という意味があって要するに蚊が近づかないようにコントロールしましょって意味です。

具体的には何をするかというと蚊帳を張る、殺虫剤をまく、蚊が発生する水たまりなどを減らす、の3点が中心です。特に最初の蚊帳は、日本の誇るテクノロジーが大活躍しています。もちろん、ただの蚊帳ではなくポリエチレン樹脂に殺虫剤を織り込んだ蚊帳で、製造しているのは住友化学です。

WHOは住友化学に対してアフリカへの技術移転を要請し、住友化学はタンザニアに工場を設置し蚊帳の工場を建てました。年間生産量1000万張りだそうです。この蚊帳を使用してWHOは2010年までにマラリアによる死亡率を50%に減少させるという計画を立てています。

達成できれば、なんと50万人以上の命がこの蚊帳により救われる事になります(住友化学の株買おうかなと思いましたよ)。ただし、アフリカの人口は8億人であり、蚊帳の生産量1,000万張り程度では全然足りないようです。とは言え、無制限に製造できるかって言うと住友化学も営利企業ですからそういうわけにも行かず、各国がちゃんとお金を出す事が求められます。先日の福田首相のODA倍増なんて話がありましたが、これの一部は蚊帳に回り、多くの人の命を救う事になるはずです。

二点目の殺虫剤の散布ですが、これは実はあまりよろしくありません。蚊が殺虫剤に耐性を持つようになるらしく、かえってたくましくなってしまう事があります。手っ取り早い方法ではあるのですが、広大なアフリカ大陸全般に殺虫剤まくなんて考えただけでもあんまり良くないんじゃないのって思いますよね。家の中に蚊取り線香置くみたいなのは有効だそうです。ただし、熱帯地域の貧しい家にはそもそも窓とかドアがなくって開放的になっているため蚊取り線香や殺虫剤の効力が無いため、家をちゃんと閉め切る事が求められてたりします。

三点目の、蚊そのものを減らす対策ですが、こちらはなかなか難しいようで水溜りをへらす、ボウフラを食べる魚を放つなどのジミな手段で蚊を減らそうとしています。アフリカ広いし、雨降ったら水溜りできちゃうのでこれも決定打には到底なりませんね。と言う訳で蚊帳がもっとも有望なのが現状です。

次回はマラリアの最終編です。

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マラリアと経済1

マラリアと経済1

新興国投資をしている我々としては、経済って何で発展するのとか、今後その投資対象国は発展するのとか、アフリカはなんでいつまでも貧しいのとか、南アフリカだけが何でアフリカで発展できてるのなどの疑問を必ず持つと思います。

政治が悪い、エイズが悪い、インフラが悪い、歴史が悪い、教育が悪い、挙句の果てには黒人だからなど偏見すら感じるものも聞きますよね(黒人だからって言うのは絶対に理由になりません。元国連事務総長コフィー・アナン、コンドリーザ・ライス、コリン・パウエル、メリルリンチ元CEOのスタンレー・オニールなど世界をリードする人は非常に多くいます)。

そんな事を考えるのはランケンも同じで、今回から少し開発経済について書いていこうかなと思っています。実は私の身近な人間に開発経済のプロ中のプロがいるので、素人の私が下手な事を書くとお叱りを受けそうではありますが、まー覚悟しておきます。お手柔らかにお願いします。

世界で最も重要な開発経済学者とされるジェフリーサックスは貧困な国が発展できない理由を地理、歴史、疫病、政治などとしています。この記事の最初で言われているのってあながち違っていなくて、それらは経済成長を阻害する大きな理由となっています。ただし、これら1つ1つのみの問題ではなく複雑にからみあった結果です。

現在、アフリカは経済成長を少しずつではありますが出来るようになっています。もちろん、資源価格高騰というのもあるんでしょうが、それだけでは無さそうです。前置きがだいぶ長くなりましたが、アフリカ経済が成長できない(できなかった)最も大きな理由の1つであるマラリアについて書きます。

マラリアって聞いた事あると思いますが、どんな病気かって言われても説明できませんよね。マラリアとはマラリア原虫っていう単細胞生物が人間の体内に入り感染する感染症で、合併症をおこしひどい場合は死に至ります。人間の体内への入り方は有名ですが、蚊に刺されてそこから入ってきます。要するにマラリアという人間に害のある虫を蚊が既に持っていて人間に注入しちゃうんです。

WHO(世界保健機構)によると、マラリアは年間3億人から5億人が感染し(!)、100万人から150万人が死亡するとされています。3億の内100万でしたら致死率からするとそんなに多くありませんが、体の弱い子供や老人が死に至ります。そして、その9割がサハラ砂漠以南の南部アフリカです。このマラリアこそがアフリカの発展を妨げてきた元凶とも言え、今もマラリアで多くの国が経済的困窮(貧困)に苦しめられています。

下が世界のマラリアの発生地域と世界の貧困の地図です。見事に一致していますね。1995年におけるマラリア被害の大きい国の所得レベルはマラリアの被害が無い国のわずか33%だそうで、マラリアがあるかないかで収入が3分の1にまで落ちています。これらの国では平均寿命が40歳を下回る状況にあり、経済発展などとてもおぼつかない状況になっています。

マラリア分布
Jeffrey D. Sachsのマラリア地図(クリックすると拡大します)

マラリアと経済
経済発展状況(色が薄いところが発展していない国です。上の図と比較してください)

これらの地域でマラリアが猛威をふるっている原因は気候にあります。マラリアは熱帯・亜熱帯に分布する重要な感染症で、マラリアを駆除出来た国は近隣のマラリアを駆除できなかった国と比較すると5年間で大きな成長に差がつくそうです。その成長率の差はマラリアの被害のある国は0.4%で、それ以外の国が2.3%と5倍以上の差となっています(Jeffrey D. Sachs)。

上の地図でも分かりますが、マラリアと経済発展には密接な関係があります。マラリアの発生する熱帯・亜熱帯地域は貧困が地理的に多い場所とほぼ一致しており、経済発展が出来た先進国は全てマラリアのいないか、もしくは少なく撲滅に成功した地域です。幸いにして南アフリカにはマラリアはいませんね。

次回は、マラリアの撲滅に対する努力について!
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